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生活保護は受けない! 1円を争う「外こもり的生活術」【外こもりのすすめ(5)】
海外で「1秒も働かない」外こもり生活を送っている貧BPさん。
第4回「持て余す圧倒的な『退屈』」では、その生活の先に待つ「不安」や「怯え」といった、彼のホンネに迫った。しかし、働かずに毎日を過ごせる楽しさもある。今回は彼に、 働かずに過ごす節約生活のための「裏ワザ」を聞いてみた。やはり話題には「お金」や「将来の不安」が話にのぼる。
「1円でも余分なお金を使わない」方法とは?
資金150万円弱で「外こもり生活」を始めた貧BPさんにとって、節約は至上命題だ。とにかく「1円でも余分なお金を使わない」ことにこだわる。
物価は安いが、それでも妥協はしない。それは外貨への両替のときも同じだ。必ず、現金で両替を行うという。
ある一定の額の現金を持ち、残りは邦銀二行に分散して預金している。そのお金は航空券を買う際など、クレジットカード決済の時にだけ使っているという。
田舎に行くと宿泊費、飲食費込で一日5ドルもかからない街もあるという。ただし、刺激は一切無い。
しかし、どうしても必要な出費がある。代表的なものが病気だ。しかしそのリスクも、海外の病院でかかる金額を保証してくれるクレジットカードを使うことで回避している。
なかには一回の「旅行」につき三ヶ月の保険が付き、いったん日本に帰国するとリセットされるものもあるという。お金に余裕がある「外こもり」はこのカードを持ち、三ヶ月に一度の帰国をしているそうだ。
ちなみにLCCを使うと、バンコクから日本まで片道1万円という時もある。
株やFXには「才能がない」
しかし、貧BPさんにはそんな余裕はない。なにせ「1秒も働きたくない」のだ。では、全く収入がないのかといえば、少し違う。実はここ一年の収入は10万円ほどあった。これはETF(上場投資信託)の売却で稼いだものだ。外こもりに出る前に購入していた。
働かずに稼ぐのは、難易度が高い。
かつては貧BPさんも株で一儲けしようと考えたことがあった。しかしそれはことごとく裏目に出てしまった。
「昨年の衆院選の際、何があるかわからないと40万円ほどの保有株をすべて売却しました。持ち続けていればアベノミクスの株高で倍近くになった計算です。そういうチャンスを見逃してしまうこと自体、才能のなさだと痛感しました」
FXにも何度も挑戦したが、100万円近い損失を出してしまった。外こもり資金1000万円を貯める計画は台無しで、いまは株もFXもやっていない。 彼と違い、デイトレに精を出している外こもりもいるらしい。ただ、自分からいくら儲けたという話は一切しないので、詳細は分からない。
生活保護では「なんのために生きているか分からない」
外こもり仲間とは毎日のように、「これからどうするかな~」「働きたくないな~」という会話が繰り返されるそうだ。建設的な話は一切出ない。
それでもこのままでは、いずれ資産は枯渇し、帰国しなくてはならない。
生活保護をもらう限り、海外には行けない。そんな人生は「死にはしないけど、なんのために生きているのかわからない」と断言する。
海外に行けば、外こもりならば、色々な人々と毎日のように出会えるし、一箇所に飽きたら国を変えることも出来る。自由度は段違いに高い。だから辛くとも、「外こもりのために働く」と彼は言う。
しかし、アラフォーで特別なスキルも無ければ今更仕事は選べない。
仮にいったん帰国して、死ぬほど嫌な労働に従事することになったとしても、彼の外こもりへの情熱の火が消えることはない。
(第6回につづく)
◆
本連載は、外こもりの中でもひときわ異彩を放つ「貧BPの人生オワタ\(^o^)/旅」という大人気ブログの書き手である貧BPさんに取材し、考え方や行動などを再構成し、一つの突き抜けた生き方を提示するもの。けっして働くことを否定する内容ではない。なお、貧BPという名前は、外こもり専用掲示板のハンドルネームに由来する。貧しいバックパッカー、略して貧BPである。
[恵比須半蔵(えびすはんぞう)/ ノンフィクションライター]
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