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日本人旅行者は「忙しくて、貧しい」か?【外こもりのすすめ(6)】
海外で外こもり生活を続ける貧BPさん。最近よく、日本人観光客の数が減っているのでは、と感じるという。
相対的に増加してきたのが、韓国人と中国人の旅行者だそうだ。
以前は土産屋の看板などに日本語が書いてあるのはよく見かける光景だった。しかし、最近はハングルと中国語ばかりだ。
日本食は後ろのほうに追いやられ…
長期滞在者向けの食堂も例外ではない。
それでも貧BPさんは今でも、日本人旅行者の恩恵にあずかることもあるという。
いわゆるパックツアーではなく、自分でチケットを手配して旅行する人のなかには、貧BPさんが滞在するようなゲストハウスにも泊まる人もいる。
その銀行員は2泊だけ日本人宿に泊まっていたが、その間は行動を共にし、街を案内したり、一緒に食事をしたりと、ずっと一緒だった。
おおまかに、日本人旅行者は下記のように分類できると貧BPさんは言う。
短期旅行で効率よく観光地を回ろうとするパックツアー旅行者。おそらく風俗目当ての中年のオヤジ達。観光地や屋台を物珍しげに見て回る女性の二人組。学生。そして仕事を辞めて長期の旅に出たバックパッカー、およびその予備軍。
2週間もの休暇を取ってバックパッカーさながらにゲストハウスに滞在するその銀行員は、幸福なレアケースだろう。
日本人は短期間の「貧しい旅行」しかできない
2泊3日程度の旅行では、その土地の良さを知るどころか、国や都市の気候や慣習に慣れる前に帰国することになる。仕方のない部分もあるが、それは「貧しい」旅行なのではないかと貧BPさんは語る。
例えば彼がタイのビーチで本を読んでいた時のこと。周りにいる欧米人も似たようにゆったりとバカンスを楽しんでいた。
「のんびり何もしない楽しみ」をないがしろにしている気がする、と貧BPさんはいう。
また、日頃のストレスの反動からか、ハメを外しすぎてしまう人もいるそうだ。
資産もなく、いつか働かなくてはいけないという怯えを持つ貧BPさんだが、忙しすぎるギチギチのスケジュールをこなすだけの日本人観光客には違和感を禁じえないという。
(第7回につづく)
本連載は、外こもりの中でもひときわ異彩を放つ「貧BPの人生オワタ\(^o^)/旅」という大人気ブログの書き手である貧BPさんに取材し、考え方や行動などを再構成し、一つの突き抜けた生き方を提示するもの。けっして働くことを否定する内容ではない。なお、貧BPという名前は、外こもり専用掲示板のハンドルネームに由来する。貧しいバックパッカー、略して貧BPである。
[文章 恵比須半蔵(えびすはんぞう) / ノンフィクションライター]
あわせてよみたい:1円を争う外こもり生活