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【仕事のエコノミクス】vol.1 【更新日:2009/04/13】

「いざなぎ越え」景気と、下がり続けた給与

  
  
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 政府はこのほど、日本が2002年2月から景気回復期に入って、2007年10月まで、実に69カ月間も好景気が続いたと認定した。過去最長だった「いざなぎ景気」の57カ月を、丸1年も上回る新記録だ。
 しかし、そんな実感が誰にあるだろうか。与謝野馨経済財政担当相は記者会見で、この景気回復期の名前を問われて、なかなか巧みな命名をした。
「かげろう景気」
 実感を伴わない好景気のあやしさを、はかない春の日の「かげろう」に喩えたわけだ。
 なぜ好況を実感できないのか。そもそも景気がよいとは、消費が伸びるなどして経済が成長することだ。しかし、その主要な指標である国内総生産(GDP)の実質成長率は、この間の年平均でたった2.1%しかない。これは、いざなぎ景気の11・5%や、バブル景気の5・4%に遠く及ばない。
 加えて、働く人たちの給与が伸びていないことが、好景気を感じられない理由として大きい。

 国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、一人当たりの年間給与は97年にピークの467万円に達してから、後は10年近く連続して低下している。
「賃金増なき景気回復」
 02年からの好況を、そう呼ぶエコノミストもいる。
 ではなぜ、経済は成長してきたはずなのに、給与が伸びないのか。そのカラクリを見抜くのに注目すべきポイントが、企業の利益率だ。
 日本の企業は高度成長期以降、ずっと利益率を低下させてきた。60年代には全産業で5%前後あった売上高営業利益率は、90年代後半には2%台に落ち込んでいる。不況のどん底だった98年は、ついに1・8%にまで低下した。
 一方で、給与については97年までは伸び続けてきたわけだ。したがって「労働分配率」は上昇している。労働分配率とは、企業があげた粗利益のうち、どれだけを給与として支払ったかを示す割合だ。
 だから企業側にしてみれば、
「会社は儲かっていないのに、給与は払っている」
 という気分だったことだろう。

 しかしこの10年間で、企業側も姿勢を転換した。景気が回復するなか、利益率が十分に上昇しないことに苛立った企業側は、ついに労働分配率の抑制にかかったのだ。
利益率が一貫して低いのは、「非製造業」の部門である。つまり、電機や自動車といった「製造業」に比べて、小売りや飲食などの「非製造業」の利益率は一貫して低迷している。
 しかも、大企業と中小企業のあいだで、さらに格差がある。つまり「中小企業・非製造業」の生産性の低さが、日本の産業の特徴だ。
 政府統計を分析すると、02年以降の景気回復は、就労人口で全体のわずか7.5%に過ぎない「大企業・製造業」によって牽引されていることがわかる。そして、この7・5%の人たちに限れば、一人当たりの年収は97年以降もしっかり増加をしているのだ。
 中小や非製造の企業では、もはや以前のような高い労働分配率は、維持できなくなった。現代社会の「所得の二極化」「格差社会化」が進む背景もある。次回ブログでは、さらに企業の利益について細かく見ていこう。



(記事:Bizトピックス編集部 → 編集記者募集中

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