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仕事のエコノミクス

年収が低いと結婚できない――
やがて男性の4人に1人は「生涯未婚」になる (更新日:2009/09/07)

  
  
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 若い男性が結婚できるかどうかが、年収と極めて密接に関係していることが、近年の労働関係の統計から明らかになってきている。最近の結婚年齢の上昇や、出生率の低下は、いわゆる格差社会の進行と強く結びついているのだ。

 総務省が5年おきに実施している「就業構造基本調査」の2002年データについて、非公表となっている個票データを独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が分析したところ、明らかになった。「若者就業支援の現状と課題」と題する研究論文にまとめられ、発表されている。
 「未婚率が高まり、少子化が進む背景に、男性の低収入という問題がある」とする内容だ。この研究論文では、年収別の「配偶者の有無」を分析している。結果はあまりに明確だった。

 男の場合、年収が高いほど結婚している割合が高い。同世代の半数以上が結婚しているのは、20代後半では年収500万円以上、30代前半ならば300万円以上の層である。
「男性では、収入が結婚を規定していることは明らか」と断定している。

【年収と配偶者がいる割合(%)の関係=男性の場合】 男は年収が低いと結婚できない

 どうやら年収300万円が、結婚ができるかどうかの壁らしい。しかし、一昔前には「一人口(ひとりぐち)は食えぬが、二人口(ふたりぐち)は食える」という言葉もあったのに。この変化は、どういう背景をもつのだろう。

「一人口は食えぬが……」とは、「独身でいるよりも世帯をもったほうが、経済的に得策である」という意味である。貧しい者どうしは、独身でいるよりも夫婦となって家計を協力するほうが、豊かに生活できるという古人の智恵である。

 だが現在はそうでない。違いのポイントは「親の収入」にある。格差社会が進んで、若年層の収入が減っていっても、親世代はまだ豊かだ。貯蓄もあるし年金だってもらえる。すると、無理をして低収入の若者どうしで結婚するよりも、それぞれの親に寄生(パラサイト)して、独身(シングル)でいるほうが楽というわけだ。
 こうした状況が、日本人の未婚率を高め、少子化を進めている。1990年では、50歳の時点の未婚率は男性が5.6%だった。これが2000年には、男性が12.2%にもなっている。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、1980年生まれの男性は、50歳時の未婚率が25%まで上昇するという。
 まさに「4人に1人が生涯独身」という時代が、すぐそこだ。

【年収と配偶者がいる割合(%)の関係=女性の場合】 女はまったく違った形のグラフになる

 こうした年収と未婚率の関係は、女性の場合、やや複雑な動きをしている。低年収と高年収の両方で、配偶者がいる割合が高くなっている。
 これは女性の場合、結婚後に正社員を退いてパート勤務などに変わっていく層と、結婚した後も専業主婦を選ばずに就業を続ける層との二つに分化していることによるらしい。

 30代前半で見ると、未婚率がもっとも高いのは250~299万円だ。労働政策研究・研修機構はこの点について、「フリーター女性のその後の結婚率が低い」という指摘もあると紹介している。
 こうした統計と予測が対象としている層は、いわゆる「団塊ジュニア」の世代だ。人口の多い団塊ジュニア世代が、正規労働の求人が大幅に減るという厳しい就職環境のなかで、学校を卒業した。このため、スムーズに職業生活へと移行することができず、多くの数がそのまま滞留している。ロストジェネレーションとも呼ばれる世代問題の深刻さが表れている。



(記事:Bizトピックス編集部 → 編集記者募集中

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