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【キャリコネ調査班】vol.5 【更新日:2011/03/31】

年収いくらなら幸せですか

  
  
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「幸せ」と「不幸せ」の分かれ道は、年収650万円?



 「転職先を間違えました。自分の判断ミスにふがいなさを感じています。今の会社は業績が右肩下がり。私の給料も3年前に比べて300万円近くダウンしています。どうしてこんなことになってしまったんだろう…」
 今にも泣き出しそうな声色で現状を訴えかけるのは、従業員100人弱の情報通信ベンチャー企業で勤務するA氏(男性、41歳)だ。年収は700万円。平成21年度の国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、40~44歳男性サラリーマンの平均年収は579万円である。A氏は明らかに高所得にも関わらず、不幸のどん底にいるような悲痛な声を上げる。彼は単なる高望み男なのだろうか。
 このたびキャリコネは、幸福と年収に関するアンケート調査を実施した。アンケート協力者の平均年収は555万円であり、これも国税庁発表の平均年収406万円を大きく上回る。しかし、54%の人が「今の年収には不満だ」と回答し、平均して179万円のアップを望んでいる。
 現状の幸福感については、0(とても不幸せ)~10(とても幸せ)の範囲で選んでもらい、0~4と答えた人を「不幸せな人」、6~10を「幸せな人」と分類することにした。なお、この指標は内閣府の「国民生活選好調査」を参考にしている。
 不幸せな人の平均年収は446万円で、当然ながら76%の人が「年収に不満」を唱える。彼らは184万円もの年収アップを要求。足し合わせると630万円となり、幸せな人の平均年収である656万円に近くなる。ただし、幸せな人たちも40%が平均113万円の年収アップを希望。人間の欲望には限りがない。


「同僚との比較」よりも「学生時代の友人との比較」が気になる


 いったい何を基準にして「幸福だ、不幸だ」と感じているのだろうか(表1参照)。「幸せな人」は、まず「自分の理想との比較」を一番に挙げる。「過去の自分との比較」をする人も少なくない。つまり、彼らは順調に出世しているのだ。
 一方で、「不幸せな人」は「将来への期待・不安」を最重要基準に選んだ。先行きが不安なのだろう。「自分の理想との比較」はしてしまうが、「過去の自分との比較」はしたくない。気分が暗くなるだけだから。
 興味深いのは、幸不幸ともに「同僚との比較」よりも「学生時代の友人との比較」のほうを重視していることだ。日本企業では20代30代のうちは社内での給与差は大きくない。むしろ、学生時代の同期が外資系企業で高所得を手にしていたりすると、真っ黒な嫉妬心がわき出てくる。
 幸福感を判断する際に重視することは、幸不幸ともに「家計の状況(所得・消費)」がトップ(表2)。就業状況や余暇時間、さらには「生きがい」といった項目までも凌駕する。現代社会における金の威力を思い知らされる。
 ただし、金額だけが重要なのではない。「幸せな人」が自分の幸福度に貢献していると考える勤務先企業の行動は「給与の安定」が最上位である(表3)。サラリーマンなのだから当然だろう。一方で、「不幸せな人」の多くはそのような勤務先企業の行動は「なにもない」と回答。

表1幸福感を判断する際に重視した基準

表2幸福感を判断する際に重視した事項

表3勤務先が社員の幸福感を高めていると思う行動


NTTデータ退職を大後悔。歯車として働き続ければよかった(ベンチャー企業40代社員)


 以上の結果から、全国の平均年収だけでは見えない「サラリーマンの幸せ要素」が2つあると言えるだろう。「比較優位」と「安定実感」である。
 「幸福度」は0だと答える冒頭のA氏は、3年前までNTTデータの正社員であった。同社では、残業の量にもよるが、30代後半で800万円程度の年収は堅い。
 「転職を決めたのは1000万円弱の報酬を提示されたからです。大きな会社の歯車になるよりも、小回りのきく会社で活躍してやろうという野望もありました。当時はIT業界の景気もよかったので、転職先も溢れかえっていましたね。引く手あまたでした。でも、所詮は中小企業。一人に1000万円も払える企業体力はありませんでした。どうしてこんな会社に入ってしまったんだろう…」

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