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【企業徹底研究】vol.62 【更新日:2012/01/10】

過去最悪ペースで進んだホテル倒産。
プリンス、オークラ、帝国……の絶望職場

  
  
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 昨年3月11日に起きた東日本大震災の多大な影響を受け、ホテル業界は過去最悪のペースで倒産件数が推移した。帝国データバンクの最新のまとめでは、2011年1~11月に倒産したホテル・旅館の件数は119件。それまでで最悪だった2008年を上回った。
 もともと、業界ではここ数年、団体客や観光客の減少で、経営難に苦しんできた。そこに震災が追い打ちをかけ、予約キャンセルなどが急増。2011年の4~5月は、1カ月あたりの倒産件数が2カ月連続で過去最高記録を更新したという。
 この1~11月の負債総額は959億円。うち3割近い256億円が、震災関連の倒産だという。
 長年、不況にあえいできたホテル業界。働く人たちの職場環境はどうなっているのだろうか。キャリコネの登録データから見ていこう。

「給与は高校で手取り13万、専門卒で14万、大学卒で15万位。業界の中では、給料は低い方。残業は多い。申請制で30分単位でもらえるが、月の半分はサービス残業なのが現実」
 と明かすのは、プリンスホテルで正社員として働いていた20代前半の女性。年収は350万円だったという。
「やりがいで選ぶ人にはいいかもしれないが、体力が続かない人にはお勧めしない」
 この女性はレストラン勤務だったが、それでも残業や泊まりが多くあったという。フロント勤務ならば、さらに厳しかったそうだ。
 30代後半の財務担当の男性社員も、こう不満を記している。
「経営方針がよくわからない。というより、どう経営していこうとしているのか、打ち出せずにいる」
 何を実現しようとしているのか、どこに向かおうとしているのか。それがさっぱりわからないという。
 20代後半のホールスタッフの女性も、こう話す。
「職場はどこも放任主義。新人で入っても、見て覚えろという感じ」
 しかも、部署によってはかなりのハードワークで、この女性は深夜勤務で仮眠2時間しかとれなかった次の日も8時間勤務で、立ちながら寝ていたという。

 他社はどうだろうか。どこも不満はそっくりだ。ホテルオークラでかつてプロジェクトマネージャーとして働いていた男性(26)が振り返る。
「とにかくビジネスモデルがもうからないようになっている。客室数と単価によってほとんど売上げが決まるので、レバレッジが効かない。サービス業なので人を入れざるをえず、とにかく給料は安かった」
 年収は252万円だったという。
 帝国ホテルの社員も、ほぼ同じことを言っている。20代前半の女性スタッフは、
「老舗で大手だが、やはりサービス業なので給料は安い。大手でもこれだけの仕事量で、給料は安く、昇給もほとんどないに等しい。続けるのは難しい」
 という。別の同世代の女性社員もこう言う。
「この不景気は、大手の帝国ホテルといえども変わらない。ボーナスは小学生のおこづかい程度だった」
 京王プラザホテルはどうか。営業担当の女性(28)からも、こんな意見があった。
「お客様の生の声がきけるなど、職場環境はよいが、離職率は高い」
 やはり、長く続けられる職場ではないらしい。
 とにかく、どこの会社でも、その声を聞けば聞くほどに、給与の安さ自慢のオンパレード。ロイヤルホテルの30代前半の女性社員は、ここまで言っている。
「業界内でも屈指の低賃金。早朝から深夜まで馬車馬のように働いて、30歳位で手取り15万ほど。新卒の入社試験に落ちても、バイトから社員にすぐなれます。何のための就活だったのか……」
 深刻な絶望が広がっている。

ホテルの倒産



(記事:Bizトピックス編集部 → 編集記者募集中

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