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【キャリコネ調査班】vol.17 【更新日:2012/01/12】

オリンパス、代をまたぐ不正隠しと「事なかれ主義」

  
  
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 デジカメ、顕微鏡、ICレコーダーなどの光学・電子機器で知られる、オリンパス(東京都新宿区)。内視鏡分野では世界シェア75%、ICレコーダーでも海外シェア70%超、国内シェア約50%を占める、誰もがその名を耳にする超大手メーカーだが、いまこの老舗企業が大きく揺れている。
 なぜオリンパスは損失を隠蔽したのか、またなぜこのような隠ぺいが結果として成立してしまったのか。オリンパスの企業文化から、この事件を考えてみようと思う。

 オリンパス不正会計処理問題を調査する、第三者委員会の調査報告書には「悪い意味でのサラリーマン根性」「役員間には、何らかの問題がありそうだと察せられるときに、事を荒立てず、自分の担当する業務のみを見て『大過なく』職務を乗り切ろうとする意識があった」とある。企業風土が今回の問題の一因となっていると批判するものだ。ウッドフォード氏の社長解任が全会一致で決まったことからも、その傾向は想像できるだろう。役員のどれだけが損失隠しについて知っていたかはわからないが、彼らは「事なかれ主義」という体質を共有した、潜在的な共犯関係にあったと考えていいだろう。

 「事なかれ主義」といえばどの安定日本企業にも存在する文化ではあるが、通常行きすぎることはない。社内には複数の派閥があり、“敵の”足を引っ張るために相互機能チェック機能が作用するからだ。しかしながら、オリンパスにはその派閥も自浄能力を持つほど強くなかったということになる。

『ワン・オリンパス』の号令のもと、社員をしめつける経営陣


 キャリコネ編集部では今回、オリンパスの内情を調べるため、独自で取材を開始。長年オリンパスに勤務したBさんから、オリンパス社内の状況について話を聞いた。そこからわかったのは「悪い意味での平等主義」によって量産された大人しい社員と、その社員に責任を押し付ける経営層の姿だった。

「損失隠しについては当然ながら寝耳に水でしたから。あれだけの大きな会社ですし、私のような一社員が不正を知るなんてことは到底ありません。それはほかの社員も同じでしょう。ただ思うのは、一連の問題で株価は急落していて、私は持ち株で損しています。経営陣はかつての損失や株価下落については責任を負うべきです」

 Bさんいわく、オリンパスの社員は全体的に大人しく、真面目で勤勉だという。一方で、事なかれ主義が多く、何か発言するというよりは、右へならえといった姿勢が目立つそうだ。今回の問題は、そういった文化で育った役員が「会社を守る」という名目で不正に目をつぶった結果ともいえるわけだ。

 なお、損失隠しに深くかかわった経営者は、菊川社長から過去3代まで遡るとされているが、彼らに共通するものとして、財務経由でトップにのぼりつめているという点がある。いうなれば、不正の隠ぺいという「踏み絵」を踏む代わりに、彼らは地位と名誉と高額の報酬(菊川氏の場合年間1億7500万円)を手にしたわけだが、そこでも「自分の代でバレなければいい」という思惑があったに違いない。

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    社員のやる気を削ぐケチぶりと低いコンプラ意識。それでも、不満を行動に移さない社員たちの現状維持姿勢。

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