• 管理職は「損な役回り」 年収1000万円男性が昇進を拒否する理由「能力不足の上司が多すぎる」 NEW

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    管理職になれば給料は上がる。だが、「それ以上に負担が増える」と感じる人は少なくないようだ。職務内容を明確に定義され、その専門スキルで働く“ジョブ型雇用”を掲げる企業でさえ、実態は異なり、社員の意欲を削いでいるケースもある。

    都内在住の30代男性(企画・マーケティング・経営・管理職/年収1000万円)は、勤務先について「対外的にはジョブ型雇用への移行も進んでいると言っているが、実態は依然としてメンバーシップ型の要素が強い」と説明する。というのも、会社はある時点から、必ずと言っていいほど部下の管理を求めてくるのだという。

    「管理職となる課長相当職にも、部下を持ついわゆるマネージャータイプと、部下を持たず専門分野を極めるタイプが同一評価で存在することになっている。しかしながら、一つ手前の係長相当職から、課長相当職に上る際、マネージャータイプ以外は、ほぼ選べない仕組みになっている」

    つまり、専門性を極めてキャリアアップしたいと考えても、部下のマネジメントが必須となる。これでは「自身の専門的なスキルを提供するという役割≒ジョブが機能していない」と男性が指摘するのも当然だろう。(文:篠原みつき)

    若手との間で板挟み…割に合わない「損な役回り」

    昇進を望まない理由は、それだけではない。管理職が置かれている厳しい状況を目の当たりにしているからのようだ。

    「社員の平均年齢の上昇、価値観の異なる若い世代との板挟みになっている管理職に対して、多少の賃金増加では埋めきれない『損な役回り』と言うイメージが形成されつつあるように感じる」

    さらに、男性が問題視しているのは、能力に見合わない管理職が降格されることなく、その地位に留まっている現状だ。

    「海外のジョブ型雇用では当たり前の、いわゆる降格制度も無いため、リスキリングやリバースメンタリング(編注:若手が上司を指導する人材育成法)など、継続的に学ぶ姿勢がない、現在の役職に対して能力値不足では?と言いたくなる管理職も散見され、非管理職からの評価が下がってしまっている」

    こうした状況が「自身も含めて、出世や昇進を望まない姿勢に繋がっているように感じる」と男性は分析する。管理職になりたくない理由は、見本にしたい有能な上司がほぼいないという側面が大きいようだ。

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