• 有休は「病気の時に使え!」と言う職場 妻の「こんな未亡人みたいな生活は嫌」で転職を決意するも… ある男性の回想 NEW

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    会社を辞める際、円満退社を望むのは当然だが、それが裏目に出ることもある。千葉県の60代男性から、数十年前の壮絶な退職エピソードが寄せられた。

    男性は大学卒業後、大手自動車メーカー系列の販売店でセールスとして働いていた。当時、「大学卒業後初めて就職したのでそれが普通と思っていた」というが、その労働環境は過酷を極めていた。

    「残業代は付かず夜討ち朝駆け朝から晩まで週末も拘束され、たまの休みもやれ商談だ納車だクレームだとサービス出勤、有休など名前ばかり『そんなものは病気の時に使え!』と言われてしまう始末」

    そんな中、結婚をきっかけに転機が訪れる。(文:篠原みつき)

    「所長室に監禁状態であれやこれや考え直すよう説得」

    結婚して子どもが生まれると、「こんな未亡人みたいな生活は嫌」と、妻が転職を勧めてきたのだ。妻が持ってきたという某公共施設の職員募集に応募し、みごと試験に合格。春からの採用が決まった。

    ところが、上司に辞める旨を伝えたところ、そこから「3か月が地獄だった」という。

    「当時若かったので言われるまま出社しては所長室に監禁状態であれやこれや考え直すよう説得、その上当月のノルマに関しても圧が凄かった」

    さらに、「それまでに数百台販売した顧客の引継ぎやアフターもあり頭がおかしくなりそうだった」と、すんなり辞めさせてもらえない日々が続いた。

    「バカ正直に円満に辞めようと思ってた」

    男性は当時、円満に辞めようとしていたことを「バカ正直に」と後悔している。

    「今思えば辞めると決まったら出社せず、必要書類だけ本社に請求すれば良かった」

    とはいえ、新卒入社した職場では上司の言いなりになってしまうのも頷ける。だが転職後、男性はそれまでの常識がいかに異常だったかを痛感したようだ。

    「その後、普通に有休は取れるし残業代はきっちり出るし、営業車は自分で買わないしなどなど、それまでの常識だと思っていたことがことごとく異常で洗脳されていたことがわかった」

    数十年前のエピソードではあるが、いまでも退職妨害(引き止め)に苦しむ人はいる。劣悪な環境に長くいると、何が異常なのか判断がつかなくなる恐ろしさが分かる経験談だ。

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