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黄金連休明けに突然姿を消した「エースプログラマ」の話
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黄金連休明けに突然姿を消した「エースプログラマ」の話
5月も半ばに差しかかろうとしている中、皆様いかがお過ごしでしょうか。この時期になると、急に無気力になったりして会社を休みがちになり、ひどいと辞めてしまう病気、通称「5月病」が大流行いたします。
この病気のしくみは、新年度の期待と現実のギャップが大きかった説、激しい気温差により体調を崩す説などがありますが、実際はどうなのでしょうか。というわけで、今回は以前勤めていた会社を5月で辞めた同僚のDさんについて、お話ししたいと思います。(ライター:光明隠歌)
優秀な社員が「引き継ぎもなく姿を消した」
このDさん、若いが優秀な男性プログラマでした。保守修理課の私と会話する機会はあまりありませんでしたが、社内では次期エースとして非常に期待されていた人でした。
さて、私が入社して1年経ったGW明け。全体朝礼に出席すると、別の社屋から出てくるはずのDさんが見当たりません。「あれ、もう1日休み取ってるのかな?」と、その時は気に留めなかったのですが、翌週の全体朝礼にもDさんはいませんでした。
しかし。さらに翌週の全体朝礼でも、Dさんの姿はありません。それどころか、Dさんのタイムカードも消えていました。「辞めたのかな?」と思いましたが、仕事に終われて同僚に聞きただせずにいました。
翌月、社内のとあるプロジェクトが終わり、なぜか部外者の私も呼ばれた打ち上げの席。プロジェクトリーダーが酒を煽りつつ、とつぜん「Dのやつ、いくらなんでもふざけ過ぎだよなあ」と言い出しました。
リーダーの一言で、みんな一斉に愚痴りだしました。「Dさん、何があったのですか?」と思わず聞いた私に、「え? 知らなかったの?」と、一同顔を見合わせます。苦虫を噛み潰した表情を浮かべつつ、リーダーが教えてくれました。
事件直後に新設された「ナゾの社内ルール」
突然辞めた。何があったんだろう。そう考えていると、隣の女性先輩が耳打ちしてきました。
まさかその理由は思いつかず、目をパチクリするしかありません。どうも大学時代から付き合っている1つ年下の彼女が、大学を卒業したその年の3月末に500キロほど離れた郷里に帰ってしまったそうで。
さすがに口あんぐりです。GWに彼女の実家に遊びに行って、そのままプロポーズ→結婚という形で居座ってしまったのだとか。しばらくは無断欠勤扱いで全然連絡取れないと思ったら、「突然郵送で辞表が届いてそれっきり」だったのだそうです。
離ればなれになるのは、そりゃ辛いだろうけど、それってどうよ、と思わずにはいられなかったのでした。
それがきっかけかどうか分からないのですが、その直後に「県外に出かけるときは休日・プライベートを問わず、必ず上司に届け出をすること」というナゾの社内ルールが制定されたのでした。
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【プロフィール】光明隠歌
PCサポート一筋の30代元OL。IT企業を12年間渡り歩き、一般家庭や中小企業を対象に、パソコン・周辺機器の「出張設定」「修理」「電話・メールのサポート」「インストラクター」などを経験。月平均80件、多いときには月150件の出張設定をこなしたことも。現在は北陸地方でフリーのPCサポート業を営む。ツイッター(@koumyonakakureg)