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「どんとこい、消費税」 強気のニトリ社長は「落ちこぼれ」だった
2014年3月2日の「ソロモン流」は、ニトリホールティングスの社長、似鳥昭雄氏の生い立ちからプライベート・経営術を紹介していた。
ニトリといえば全国に300店舗以上を構える家具・インテリアの一大企業で、業界第1位。年商は3840億円、週刊東洋経済(2014年3月1日号)の「就職したい企業 流通分野」第1位で、アメリカや台湾にも出店し、世界1位の座も狙う。
札幌で47年前に始めた小さな家具店を、たった一代でここまでの大企業に築き上げたのが、創業者である似鳥昭雄社長(69歳)だ。
「落ちこぼれ」起死回生は「内助の功」
子どものころは家が貧乏で、働いていたこともあって学校では「落ちこぼれ」だったという似鳥氏は、大人になっても職を転々とし、何をやってもうまく行かなかったという。
他に何もできないから自分で商売しようと家具店を開くが、専門知識があったからではなく、自分の住む地域に家具店がなかったからだ。大きく見せようと、1店しかないのに「似鳥家具卸センター 北支店」という看板を掲げた。
最初は赤字続きで苦労したというが、結婚をしてから一変。奥さんの丁寧な接客が評判となり売り上げはうなぎ登りに伸びた。しかし似鳥氏本人は全く仕事をせず、「さぼってパチンコばっかり行ってた」と笑う。
妻に苦労させつつ2号店出店までこぎつけるが、競合店が現れ倒産寸前に。自殺と夜逃げを考え続ける日々だったが、ここでも奥さんの励ましによって意欲を盛り返す。
1972年に、借金をして「アメリカ家具視察研修」に参加。アメリカの豊かさに驚愕し、インテリアのトータルコーディネイトを意識した店づくりにしたところ、評判を呼んだ。それからは仕事一直線で頑張ったのだという。
ウサギの耳付きで登場する「サービス精神」
ニトリの魅力といえば「安さ」が挙げられるが、品質を保ちつつ、どのようにして安さを実現しているのか。秘訣は、ほとんどの製品を自社で開発、製造、運搬まで行っていることだという。
24か国から原材料を仕入れ、ウレタンなど他社では別注文する材料も、その道のスペシャリストを養成し自社生産。羽まくら等、圧縮して大量に自社で運搬するなど、高品質と低コストの両立を可能にしている。似鳥氏は自身のモットーをこう語る。
似鳥氏は番組冒頭、色とりどりの熱帯魚と共に、スキューバダイビングをしながら「どんとこい、消費税」などと書いたボードをカメラに見せながら登場した。
自らインタビューの構図まで指示するこだわりも、ウサギの耳付きキャップまで被った懲りすぎの演出も、サービス精神旺盛な似鳥社長の提案ではないだろうか。
若い頃に落ちこぼれだったのは、頭が悪いこととは違う。競合店のいない家具店を選んだことも、よく働く奥さんを選んだ確かな目も、何をすれば人が喜んでくれるのかを考えるサービス精神も、似鳥社長に備わった経営者の大事な資質だと感じた。(ライター:okei)
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