• 「新卒一括採用」は残すべきか 「ぶっ壊したい」と「すばらしい」で大議論

    世界に類を見ない日本独特の雇用慣行といわれる「新卒一括採用」。社会人になる過程を円滑に進められるという評価がある一方で、新卒で就職しなかった人の働く機会を不当に奪っているなどの弊害も指摘されている。

    これを受けて、ソフトバンクが2014年末に「通年選考」を導入すると発表するなど、企業は一括採用にとらわれない方法を模索している。その一方で、一括採用にもメリットがあり、維持すべきとする声もある。

    堀江氏「人生にレールなんかない」

    「WEDGE」4月号の「就活が日本をダメにする」という特集の中で、外資系コンサルティング会社出身の大前研一氏は、日本の新卒一括採用システムに乗って入社するような学生は「世界の流れについていけない」と批判する。

    「新卒で会社に入ってくる人は、ひ弱だね。今のままでは、グローバル化に対応することなんてできるわけがない」

    会社は「何か突出したものがある」人を雇うべきで、日本の偏差値教育で育った「平均点の高い人や常識がありすぎる人」は通用しないばかりか、外国人と競い合えば「即死する」と酷評している。

    大前氏は、日本もドイツのように10代から教育と職業訓練を同時に行う「デュアルシステム」の導入や、20代後半から30代前半までは「国際競争力を肌身につける」ための教育や社会システムの構築をすべきだと言う。

    大前氏の意見に賛同しているのが、堀江貴文氏だ。ツイッターで「私なんかもう15年以上前から言い続けてるけど全然変わらねーもんなあ」とつぶやき、2013年12月のトークイベントでは、新卒採用なんか「さっさとぶっこわしたい」と述べていた。

    「あれ、ホントなんなんですか? みんな新卒で就職しないとドロップアウトしちゃうって思ってる訳ですよ。でも本当は人生にレールなんかないんですよ」

    ドワンゴ川上氏「すばらしい」の意図は

    一方、ドワンゴの川上量生会長は、現状の就活状況を「社会人になる前に自信をなくして『廃人』になるような人たちを大量に生産している」と痛烈に批判しているが、前出の『WEDGE』では「新卒一括採用」について意外な擁護をしている。

    「『新卒一括採用』や『終身雇用』は、すばらしいモデルだと思います。一括採用でなく、『通年採用』にしたら、学生はもっと不利になる」

    通年採用ならば、経験者や高学歴の人ばかりが優先され、若年層の失業が深刻になる。新卒一括採用は、日本全体の大規模なインターンのようなものであり、世界で最も「職業選択の自由」が担保されていると評価する。

    確かに、新卒一括採用のないヨーロッパの若年者失業率は極めて高い。実業家の成毛眞氏も「受験料徴収も、新卒一括採用と終身雇用の効用も、100%賛成!」と、川上氏にエールを送っている。

    とはいえ、川上氏が率いるドワンゴの社員の多くは、中途採用の実務経験者で占められているという話もあり、一括採用擁護は「他社で育った人材を自社で使う言い訳」「フリーライダー(ただ乗り)的発想」と冷ややかに見る声もある。

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