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移民は「文化の破壊者」か「救世主」か? 「1000万人受け入れ」発言で議論勃発
少子高齢化で減る日本の労働人口を補うために、海外から「移民労働者」を受け入れるべきか否かという議論がネットで盛んに行われている。
推進派からは「人口減ニッポンの救世主」と期待が高まる一方で、反対派からは移民受け入れによって「日本のよき伝統や文化が破壊される」と危惧する声が出ている。
ネットのコメント「減ったら減ったで何の問題もない」
移民政策研究所長の坂中英徳氏は5月16日、東京・外国特派員協会で会見を行ない、「50年間で1000万人を受け入れるべき」と持論を述べた。
BLOGOS編集部の記事によると、坂中氏は1000万人という数について、日本人口の10%に当たると説明。ドイツやフランスなどの移民人口率がだいたい同率であり、50年かけて受け入れることで、「日本が欧州の移民先進国並みの国になる」としている。
また坂中氏は、「移民政策抜きではアベノミクスは失敗する」と発言。生産人口と消費人口が減少していては成長戦略を立てることはできず、さらに新しい市場の創造や内需の拡大にもなるとする。
一方で坂中氏は、移民をただ受け入れるだけでなく、日本の教育機関に入れて日本語や専門知識、技術を勉強させて活躍してもらう「日本型移民政策」を提唱。安定した生活ができるようになれば3~5年で永住権を許可し、希望すれば7年ほどで日本国籍も与える「育て上げ」の構想も語っている。
移民受け入れ推進のオピニオンが高まった背景には、少子化政策の行き詰まりで、日本の人口が2020年あたりから大幅に落ち込む試算が出ていることがある。しかし、若い読者の多いニコニコニュースでは、この記事に対して批判が殺到。あっという間に3000のコメントが集まったが、かなり厳しい意見が多い。
保守派の論客も「アジアの人材受け入れは重要」
そんな中、保守派の論客で知られる櫻井よしこ氏が小学館の「SAPIO」6月号に、移民受け入れを支持するオピニオンコラムを寄せている。
櫻井氏は、いわゆる「自虐史観」に対する強烈な批判者として知られるが、一方でベトナム・ハノイの野戦病院で生まれ、ハワイ大学マノア校歴史学部を卒業した国際派でもある。
グローバルな観点から、日本が自主独立の姿勢を強めるべきではあるものの、それは「排外的」なものになってはいけない、と考えているのだろう。
とはいえ、外国人を無制限に受け入れよと主張しているのではない。来日する外国人には日本の生活ルールを守り、日本の地域社会に溶け込んでもらう「郷に入りては郷に従え」が大事であると強調し、そのようなルールを守ろうとしない隣国人への批判も付け加える。
ネットのコメントには、排外主義的なものも多く、それへの不快感を示す人も少なくない。しかし若い人にとっては、自分が将来生きていく社会や労働環境に大きく影響することでもある。忌憚のない議論を積み重ねていくことは、ムダではないはずだ。
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