こんな条件じゃ働かないよ! 求人情報サイトが「今は応募しない」ボタン設置 2014年5月16日 差がつく転職裏事情 ツイート 景気の改善で求人倍率が上がる一方で、人材確保に苦しんでいるのが外食業界だ。仕事を探す人たちは、かなり厳しい視点で求人情報を吟味している。 そんな中、飲食業に特化した求人・転職サイト「クックビズ」が、あえて応募に至らなかった人の声を集めるしかけを設けている。飲食店の求人ページの末尾に「今は応募しない」ボタンを置き、クリックすると「この求人に応募しない理由を教えて下さい」と表示される。 待遇への要望など「生の声」をフィードバック 求職者は「応募しない理由」を、いくつかの項目から選んでフィードバックをすることができる。項目は「給与」「休日休暇」「福利厚生」などの待遇だけでなく、求人ページに掲載されている「写真」や「お店からのメッセージ」も含まれる。理由を詳しく入力することも可能だ。 もともと飲食業は人材の回転率が高く、新入社員の3年以内の離職率が50%を超えている。特に最近では介護や土木など他業種が待遇を上げており、人材の奪い合いが激化している。飲食店経営者向けの採用戦略セミナーも、各地で開催されている。 これまで、求職者が「応募に至った理由」については履歴書などから知ることができたが、「応募しなかった」理由を知ることはできなかった。クックビズでは「応募しない」ボタンの設置で求職者の生の声を可視化し、 「いま求職者は仕事探しにおいて、どういう点を重視しているのか?」 「業界全体と比べて、自社の労務環境や待遇の水準はどうなのか?」 といったことを把握し、求人企業・飲食店への提案に反映させることでミスマッチを減らしていきたいとしている。なお、「応募しない」ボタンの設置は人材サイトでは初だという。 耳が痛いことでも「考え方の改善につながれば」 ただし、「売り手市場」が進むにつれて、求職者からは強気で辛らつな声が寄せられるおそれもあるだろう。これについてクックビズ広報は、コメントは求人企業に直接送信されるわけではないとしつつ、 「企業にとって耳が痛いことでも、何が応募のボトルネックになっているかをフィードバックすることで、飲食業界の考え方や環境が改善されるきっかけになればいいと考えています」 と、その意図を回答した。 外食業界では、長時間労働やサービス残業が常態化している職場も少なくなく、「ブラック業界」と呼ばれることもある。それだけに、労働環境の改善に率先して取り組んだ職場が、人集めにも成功するのではないだろうか。 あわせて読みたい:「すき家」ゼンショーが朝日新聞に抗議 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
こんな条件じゃ働かないよ! 求人情報サイトが「今は応募しない」ボタン設置
景気の改善で求人倍率が上がる一方で、人材確保に苦しんでいるのが外食業界だ。仕事を探す人たちは、かなり厳しい視点で求人情報を吟味している。
そんな中、飲食業に特化した求人・転職サイト「クックビズ」が、あえて応募に至らなかった人の声を集めるしかけを設けている。飲食店の求人ページの末尾に「今は応募しない」ボタンを置き、クリックすると「この求人に応募しない理由を教えて下さい」と表示される。
待遇への要望など「生の声」をフィードバック
求職者は「応募しない理由」を、いくつかの項目から選んでフィードバックをすることができる。項目は「給与」「休日休暇」「福利厚生」などの待遇だけでなく、求人ページに掲載されている「写真」や「お店からのメッセージ」も含まれる。理由を詳しく入力することも可能だ。
もともと飲食業は人材の回転率が高く、新入社員の3年以内の離職率が50%を超えている。特に最近では介護や土木など他業種が待遇を上げており、人材の奪い合いが激化している。飲食店経営者向けの採用戦略セミナーも、各地で開催されている。
これまで、求職者が「応募に至った理由」については履歴書などから知ることができたが、「応募しなかった」理由を知ることはできなかった。クックビズでは「応募しない」ボタンの設置で求職者の生の声を可視化し、
といったことを把握し、求人企業・飲食店への提案に反映させることでミスマッチを減らしていきたいとしている。なお、「応募しない」ボタンの設置は人材サイトでは初だという。
耳が痛いことでも「考え方の改善につながれば」
ただし、「売り手市場」が進むにつれて、求職者からは強気で辛らつな声が寄せられるおそれもあるだろう。これについてクックビズ広報は、コメントは求人企業に直接送信されるわけではないとしつつ、
と、その意図を回答した。
外食業界では、長時間労働やサービス残業が常態化している職場も少なくなく、「ブラック業界」と呼ばれることもある。それだけに、労働環境の改善に率先して取り組んだ職場が、人集めにも成功するのではないだろうか。
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