こんなに違う!大企業・ベンチャー企業の働き方とキャリア
よく「大企業はチームワークが優先」「ベンチャー企業は一人一人の裁量が大きい」などと言われます。もちろん各企業によって細かな違いはありますが、仕事の進め方やキャリアパスという面から大企業とベンチャー企業を比較した場合、主に下記のような違いがあると言えるでしょう。
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大企業 |
ベンチャー企業 |
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業務担当の範囲 |
狭く細分化されている |
広く1人で複数の役割をこなす |
組織風土 |
チームワーク優先 |
個人プレーもある |
身につくヒューマンスキル |
コミュニケーション能力、調整力 |
企画力、交渉力、マネジメント能力 |
キャリアパス |
20代はアシスタント的な業務を経て30~40代で徐々に大きな仕事に関わっていく |
20代から管理職に就く人や、2~3年で辞めて独立する人もいる |
成長スピード |
遅い |
早い |
裁量の大きさ |
若手のうちは小さいが役職に就くと大きくなる |
社歴・年齢に関係なく、個人の能力次第 |
組織の大きさがキャリアを決める
大企業ではその会社組織の大きさが、仕事の進め方やキャリアパスを決定づけています。社員が多い大企業では一人一人の業務範囲が細分化される傾向が強いことから、一匹狼のような個人プレーは成り立ちにくいといえるでしょう。むしろ多様なタイプの社員や異なる部署、他企業と連携して進める案件が多いため、コミュニケーション能力や調整力などのヒューマンスキルが鍛えられるという面が見られます。
また、大企業でのキャリアパスは、20~30代は管理職のもとでアシスタント的な業務を通して経験を積み、30代半ばから40代で一人前と認められるといったタイプが大半のようです。大器晩成型といえますが、将来的に役職がつけば裁量も与えられますので、大企業ならではのビッグプロジェクトで采配を振るうチャンスも出てきます。
ベンチャーなら早期にキャリアアップも可能!?
次に、ベンチャー企業での仕事の進め方やキャリアパスを左右する要因として、ベンチャー企業は少人数経営の傾向が強いことが挙げられます。大抵のベンチャー企業では1人が複数の業務を担当することも普通です。その結果、実際の業務に必要なテクニカルスキルに加えて、企画力や交渉力、マネジメント能力など幅広いヒューマンスキルを習得できるといわれています。
また、ベンチャー企業は若手の頃から業務範囲が広いため、人材の成長スピードが大企業に比べて早いともいわれます。大企業に比べると個人プレーも容認されやすく、キャリアパスにおいては成果さえ出せば20代や30代前半で会社を担うポジションに就く人や、仕事で得た経験・ノウハウを活かして独立する人も少なくありません。若いうちから大企業に勤める同年代より大きな裁量を持つ人も珍しくないといわれます。
大企業で成功できる人、ベンチャー企業で成功できる人
以上の比較を踏まえると、大企業に転職したほうが成功しやすい志向、仕事観は次の通りと考えられます。
- ・大器晩成型でもいいから、規模の大きな仕事を手掛けたい
- ・一つの仕事に取り組んでじっくり成長したい
- ・自らの成果以上に組織としての協調性を重んじる
一方、ベンチャー企業に向いている転職者が持つ志向、仕事観は以下のようなものが挙げられるでしょう。
- ・強い上昇志向、または独立・起業志向
- ・自分の実力を評価してほしい
- ・環境に合わせて働くよりもがむしゃらに成長したい
「大企業に入れば安定できる」「成長性が高いからベンチャー企業に入りたい」といった安易な考えで転職をしても、会社の風土が自分の仕事観や志向に合っているとは限りません。転職先を選ぶときは、自分がどれくらいの規模の企業を選べば最も活躍できるのか、よく考えることをおすすめします。