ベンチャーに転職した大企業経験者がはまりやすい落とし穴
近年、雇用の流動性が高まり、大手企業といえども一生安泰とは言い切れなくなっています。こうした中、大企業からベンチャー企業への転職する人も現れてきています。しかし、規模も風土も違うため、転職後に戸惑うことも少なくありません。転職後のミスマッチを防ぐためにも、大企業からベンチャー企業への転職で陥りがちな失敗を考えてみましょう。
大企業からベンチャー企業に転職した場合の失敗例
大企業からベンチャー企業に転職した人がよく語る失敗談として「ベンチャー企業独特の雰囲気に馴染めなかった」というものがあります。大企業の雰囲気や仕事の進め方に慣れてからベンチャー企業に転職した人は、具体的には次のような場面に直面すると、どう乗り越えていいかわからないことも多いようです。
- ・業務スピードや実績へのプレッシャーに耐えられない
- ・指導役や上司の不在を「当然のこと」と受け入れられない
- ・仕事のノウハウが体系化されていないことを不安に感じる
大企業でのキャリアパスはこちらの記事にもある通り、長い年月をかけてスキル・経験を蓄積していくパターンが一般的です。組織が大きい分、業務範囲が狭く細分化されることに慣れてしまった人の中には、複数の業務を限られた時間でこなさねばならないベンチャー企業の風土についていけない人も珍しくありません。
さらに、ベンチャー企業では社員一人一人が結果を出して業績に貢献しなければならない空気が強いため、常にプレッシャーに耐えるメンタル的な強さが必要になります。ここも大企業経験者の中には「前の会社よりきつい」と感じる人もいるようです。
また、大企業出身のベンチャー企業に転職した若手社員には、転職先に自分を指導してくれる上司がいないことに不安になってしまうパターンも。平均年齢が若い会社が多いベンチャー企業では、大企業のように豊富な業務ノウハウやそれを体系化したマニュアルがないことも普通です。未開の地を開拓していくような仕事の覚え方に対し、整った環境で育成されてきた大企業出身の若手転職者は心細い思いをすることもあるのでしょう。
大企業からベンチャー企業への転職を成功させるために必要なこと
もちろん全ての大企業経験者がこのようにベンチャー企業とのミスマッチを起こすわけではありません。しかしこうした失敗を防ぐにはどうすればよいのでしょう? 具体的には以下の点を肝に銘じておくとよいでしょう。
- ・効率化を追求し、時間のペース配分を覚える
- ・わからないことは貪欲に質問して周囲から吸収する
- ・自分なりの仕事の進め方を確立する
大企業からベンチャー企業に転職した人は、これまで以上に限られた時間内に仕事を終わらせるよう、タスク管理や能率向上を意識することが求められるはずです。仕事の質を維持しながら生産スピードを上げることはビジネススキルの向上と、自信やモチベーションの維持にもつながります。
また、一般的にベンチャー企業では指示待ちや受け身といった姿勢の人は敬遠されがちです。「分からないから」と何もしないでいると仕事が振られなくなるばかりか、周囲との差も広がるばかりです。そうならないように不明な点や疑問は自分から周囲にどんどん聞くくらいでちょうどいいのです。そうして得た知識・スキルを「自分だけの仕事ノウハウ」として確立することで、転職前と異なる環境でも活躍できる実力を培えるでしょう。