ベンチャー経験者が大企業への転職を成功させる2つのカギ
景気回復に伴い、最近は転職サイトで大企業の求人も増えてきました。「狭き門」と言われてきた大企業の採用意欲も徐々に上がっている今、ベンチャー企業から大企業への転職を成功させるポイントについて説明していきます。
求められている経験・スキルを徹底分析する
人事が中途採用の時に最も重視するポイントは「応募者のスキル・経験が募集ポジションと合っているのか?」という点です。中途採用は即戦力の人材を社外から募集するものですので、求める経験・スキルを持った人であれば、今まで勤めてきた企業の規模は重視されない傾向にあります。成果主義が浸透した現在であればなおさらです。
従って、ベンチャー企業から大企業への転職であっても、転職先で求められているスキル・経験が一致するのならば成功する可能性は十分あります。言い換えれば、ベンチャー企業経験者が大企業への転職を成功させるカギは「募集企業が求めている経験・スキルは何か」を徹底分析することといえます。
ベンチャー企業経験者は「入社間もなくから複数の業務を一人でこなすことが当たり前」という環境に身を置いています。募集ポジションで活かせそうな要素は、面接はもちろん職務経歴書や履歴書で特に力を入れてアピールして、志望する大企業への転職を成功させましょう。
転職先の会社に馴染めることをアピールする
応募書類で「この人は当社の募集ポジションで活躍できそうだな」と人事に期待を抱かせられれば、次はいよいよ面接です。
しかし、大企業の面接官は、面接で応募者のスキル・経験のみを見ているわけではありません。「ウチの会社になじんでくれるだろうか?」という人柄やヒューマンスキルもしっかり見ているものです。ベンチャー企業経験者が大企業に転職する場合、面接で特に力を入れて伝えるべき点もまさにここ。大企業の面接官に対して「ベンチャー企業と異なる環境でも100%活躍できる」という一点をアピールすることが不可欠です。
組織が未完成で少数精鋭の傾向にあるベンチャー企業では、フラットな人間関係や個人プレーも珍しくありません。しかし組織が成熟して色々な年代や価値観の人間が集まる大企業に転職すれば、ベンチャー企業経験者はそれまでの職場と比較にならないほど多くの人と関わることになります。
会社全体の風土になじむことはもちろん、多人数の同僚やそりの合わない上司、他部署や外部関係者などさまざまな人々と足並みを揃えて仕事を進められる能力は、大企業の選考では最重要視されるポイント。そこを考慮せずにベンチャー気質を引きずった自己アピールをしてしまっては、面接官に「当社の社風に合わなさそうだし、扱いづらそうな人材だな」と判断されてしまいかねません。
従ってベンチャー企業から大企業への転職を成功させるには、まずは面接官に「当社の一員になっても問題なく活躍してもらえそうだ」と安心させること。例えばチームワークへの理解は、今までのキャリアで上司・同僚と協力し合った経験などをアピールするとよいでしょう。マネージャーやリーダーなど調整役の経験があれば、エンジニアや管理職の採用において、調整力を培ってきたことを伝えられます。
いずれにしても、ベンチャー企業経験者が大企業への転職を成功させるもう一つのカギは、「転職先に自分から努力してなじむ姿勢を伝えること」です。転職を成功させるにはスキル・経験も大事ですが、環境が変われば仕事の進め方も変わるもの。それまで培った仕事のキャリアだけで成功するほど甘くはないと覚えておきましょう。