転職で年収100万円アップ! 経験者への調査結果が語る成功のポイント
転職は、キャリアアップや生活の質の向上を目指す人々にとって重要な選択肢です。多くの人が転職を考える際、最も気になるのが年収の変化ではないでしょうか。果たして転職によって本当に年収は上がるのか、それとも下がってしまうのか。
この疑問に対する答えは、個人の状況や市場の動向によって大きく異なります。しかし、最新の調査結果を見ると、転職による年収アップの可能性は決して低くないことがわかります。今回は、様々な調査結果を基に、転職と年収の関係性について詳しく見ていきます。
転職で年収アップは「約4割」
厚生労働省の「令和6年上半期雇用動向調査」(2024年)によると、転職入職者のうち賃金が増加した割合は40.0%に達し、前年同期と比べて1.4ポイント上昇しています。この数字は、転職者の約4割が「年収アップ」を実現していることを示しており、転職市場における賃金条件の改善傾向を反映しています。
同様に、マイナビ転職の「転職動向調査2025年版(2024年実績)」でも、転職者の約4割が転職後に年収が上がったと回答しています。同調査では、転職後の平均年収が509.3万円で、転職前より22.0万円増加したことが報告されています。
dodaの「転職動向調査2024」では、「年収アップ転職」を果たした人々の平均増加額は約95万円に達しており、Indeedの「2023年転職白書」では賃金上昇率が平均11.5%であったことが示されています。
30代の1割強が転職で「100~150万円アップ」実現
年代別では、20代から40代までの転職者で賃金増加の割合が高い傾向が確認されています。マイナビキャリアリサーチの「転職動向調査2024年版(2023年実績)」によると、20代では約47%が年収アップを実現しており、この年代は市場価値が高く評価されやすい傾向があります。
また、30代では約40%が年収増加を経験し、その中でも約12%が100~150万円以上の増加を達成しています。
40代では41.5%が年収アップを実現しており、特に管理職や専門スキルを持つ人材が高く評価されています。50代になるとその割合は28.7%まで低下しますが、それでも経験豊富な人材として一定の需要があります。
重要な「スキルアップ」と「リスキリング」
リスキリング(新しいスキル習得)やスキルアップは、転職成功において大きな鍵となります。マイナビキャリアリサーチラボの「転職動向調査2025年版(2024年実績)」によれば、リスキリング経験者と未経験者では平均年収に約139.8万円の差が生じていることが明らかになっています。これは、新しい技術や知識を習得することで市場価値が大幅に向上することを示しています。
特にIT業界やDX(デジタルトランスフォーメーション)関連分野では、高度なスキルを持つ人材への需要が急増しており、このような分野でリスキリングを行うことは有効な戦略と言えるでしょう。
6割は「年収アップ」を実現していない現実
一方で、女性は男性と比べて年収アップ率が低い傾向があります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」(2023年)によると、令和5年の賃金の対前年増減率は、男性が2.6%、女性が1.4%となっており、男女間で1.2ポイントの差があります。この背景には、特定業界への偏りや社会的要因など複数の要因が絡んでいると考えられます。
また、男性を含む全体として6割の人々が転職後も年収アップを実現できていないという事実も見逃せません。4割は年収アップしているが、それ以外の人は据え置き、または減少しているということです。これは、転職市場の競争激化や、個人のスキルと企業のニーズのミスマッチなどが原因として考えられます。
長期的なキャリア形成を視野に
転職による年収アップは、多くの場合可能性として開かれています。最新の調査結果が示すように、適切な準備と戦略があれば、十分に実現可能な目標です。しかし、年収だけでなく、仕事のやりがいや職場環境、ワークライフバランスなど、総合的な観点から転職を検討することが大切です。また、短期的な利益だけでなく、長期的なキャリア形成を視野に入れることも重要です。
転職は単なる職場の変更ではなく、自身のキャリアを主体的に構築していく機会です。慎重に、そして前向きに検討し、自分らしいキャリアパスを歩んでいくことが、真の意味での成功につながるのではないでしょうか。