地元に自分の力を還元したい! 意欲を見せてUターン転職
プロフィール
J・Aさん(32歳、男性)
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Before(転職前) |
After(転職後) |
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雇用形態 |
正社員 |
正社員 |
年収 |
450万円 |
400万円 |
業種 |
医薬品・化粧品(商社) |
医療機器(商社) |
職種 |
営業 |
営業 |
転職のきっかけ・理由は?
→震災で地元に貢献したい気持ちが強くなった
転職前は、都内にある医薬品の商社で営業職をしていました。仕事自体に不満はなかったのですが、将来的には実家のある広島に戻りたいと考えていたんです。そんなとき2011年の大震災に遭い、被災地の様子を知ったことで、「これからの人生、地元に貢献できるような生き方・働き方をしたい」と強く感じるようになりました。上司に相談したところ、理解を得られたので転職を決意しました。
内定獲得までの経緯は?
→休日をやりくりして地元で面接を重ねる
地元では、どうしても首都圏よりも求人の数自体が少ないので、転職先選びには苦労しました。当初は転職前と同じく医薬品の営業職に就きたいと考えていたのですが、そうもいかず、最終的には医療機器や介護用品の営業にまでエントリーしましたね。都内の会社に勤めながら広島の企業に面接に行くのはラクではなかったのですが、土日に面接を組んでもらったり、有給休暇を使って面接に行ったりすることでうまくスケジューリングできたと思います。
最終的には医薬品、医療機器・介護用品といった業界で40社ほどにエントリーし、2社から内定をいただけました。そのうちの1社が医療機器の商社だったのですが、待遇や社風で自分の希望にマッチしていたので転職を決意しました。
転職活動で工夫したことは?
→単なるUターンじゃないという気持ちを主張
職務経歴書や面接で押し出したことは、これまでの実績と地元に貢献したいという強い気持ちの2つです。前者に関しては医薬品の営業の経験しかなかったのですが、病院関係者へのアプローチに長けていること、医療の現場について知見があることなどをアピールしました。
後者については、都内で培った経験や人脈を地元で生かしたいという気持ちを積極的に訴えました。「地元に戻るから転職した」ではなく、地元を盛り上げるための転職なんだ、ということをアピールしたんです。面接官にもその気持ちが伝わったようで、入社後は「広島の医療業界を変えていこうとする意欲を感じた」と言ってもらえました。
転職してどこが変わりましたか?
→人と人とのつながりを意識しつつ、ノウハウを地元に還元
年収はさがってしまったのですが、地元に帰ったことで家賃や生活費も削減できました。なので、生活レベルそのものは対して変わっていないですね。その点はありがたい限りです。
働き方の変化としては、人と人とのつながりを意識するようになりました。グローバル化が進んだといっても、やっぱり地方には地方ならではの人脈があります。顧客とのちょっとした雑談から新しい見込み客を紹介してもらえたり、地元の友人・知人のつてを通じて新しいプロジェクトを企画したり…。日々、「自分の力だけで実績を上げているわけではないんだな」と実感するようになりました。現在は、東京で得たノウハウを後輩に教えたり、顧客に首都圏の優良企業を紹介したりするなど、自分の持てる知識や経験を地元に還元するよう意識しながら働いています。
転職活動中の人へのアドバイスは?
→安易なUターン転職は失敗の元
震災以降、自分のようなUターン転職が増えつつあると聞いています。ただ、首都圏で働くのが嫌だから地元で働くというのでは、逃げの転職と変わらないですよね。地元にだっていい人材はたくさんいますから、「地元でしかできないことがある」、「地元でこそやりたいことがある」という意識を強く持たないと、意欲面で落とされてしまうと思います。
それと、やはり地方のほうが仕事の幅は狭いですし、給与も安いです。地方への転職で、必ずしも自分の希望通りの会社や仕事が見つかるとは限りませんから、安易なUターン転職は失敗につながると考えておいたほうがいいでしょうね。