中高年の転職トレンドが盛り上がる3つの要因
35歳を過ぎると転職が一気に難しくなるという「転職35歳限界説」。昔からまことしやかにウワサされていますが、これは本当なのでしょうか?
35歳以上でも転職者は大勢いる!
総務省『労働力調査』の『年齢階級別転職者数及び転職者比率』によれば、2013年の転職者(仕事に就いている人のうち、1年前に別の仕事に就いていた人)は、男女合計で286万人でした。このうち15~29歳の人が53万人、25~34歳が77万人だったのに対し、35~44歳は65万人、45~54歳は40万人、55歳以上は52万人となっています。この数字をもとに転職者の比率を算出したグラフが下記になります。
グラフによれば、転職に成功した人のうち35~44歳が23%、45~54歳が14%、55歳以上が18%となり、35歳以上の転職者が全体の半数以上を占めていることがわかります。このことからも「35歳限界説」は真実ではないといえるでしょう。
ビジネススキルに自信を持つ中高年たち
また、JILPT(独立行政法人労働政策研究・研修機構)が2013年に発表した『成人の職業スキル・生活スキル・職業意識』によると、「書類を読む・作成する」「人の話を聞く・人前で話す」「数学の知識・データを扱う」「人や段取りの調整」など基本的なビジネススキルにおいて、「自信がある」と答えた人が20代と30代は比較的少なかったのに対し、40代と50代は高くなる傾向が顕著に見られました。これは「業務に関する専門的なスキル」の項目でも同様の結果となっています。
これらのことから「経験や知識が少ない若い世代より、中高年世代のほうがビジネスパーソンとしての能力に自信を持っている人が多い」ということがわかります。こうした自信が中高年の転職につながっている可能性もあるでしょう。
なぜ、今になって中高年の転職?
さらに現在は、中高年層の転職に有利な要素が揃っているといえます。その中でも次の3つが主な要素として挙げられるでしょう。
1 景気回復による企業の採用意欲上昇
アベノミクスや東京オリンピック開催決定などの影響で、景気が回復に向かっていることから、求人件数が増加しています。すべての業界・人材にあてはまるとはいえませんが、40代・50代の採用も視野に入れる企業も増加すると予想されています。
2 少子高齢化による人材不足
若手が減少し、人材が限られていく中で、経験・スキルの豊富な中高年の活用は不可欠とされています。今後は雇用の流動化が進んでいくため、採用基準も今のものより変化していくという見方が強くなっています。
3 グローバル化による即戦力採用の必要性
リーマンショック以降、グローバル化が進んだ日本企業は欧米だけでなくアジア各国との競争を激化させています。世界市場で勝ち残るためにも、専門的スキルや十分な経験を持つ中高年を即戦力として雇いたい企業が増えているのです。
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