転職に成功する中高年の3タイプ
前項では多くの40代・50代が何らかの形で転職に成功していると説明しました。とはいえ、中高年の誰もが転職に成功できるわけではありません。では、転職で成功しているのはどのような中高年なのでしょうか?
成功のカギは「スペシャリスト型」と「ゼネラリスト型」
転職で成功する中高年のスキルは「スペシャリスト型」と「ゼネラリスト型」の2つに分類することができます。それぞれの特長は下記の通りです。
【スペシャリスト型】
業務に関する専門的なスキル、特定の業界や商品に関する知識など、他の人で代わりが利かない経験を有している人が当てはまります。
≪例えば…≫
- 新規事業立ち上げに携わった経営企画職
- IPO準備に対応できる企画職や総務
- 特定業界に関する知識を有した会計や経理、人事、総務など
- 独自の営業手法を持つ営業職
- 知人や顧客の幅広いネットワークを持つ営業職
- 高度な英語力を有した営業職や開発職
【ゼネラリスト型】
経験豊富なビジネスパーソンとして、高いヒューマンスキルを身につけた人が当てはまります。組織の要として活躍してきた人もこのタイプです。
≪例えば…≫
- 社内外のコミュニケーションを有利に行える「交渉能力」のある人
- 若手、後進を育てられる「コーチング能力」のある人
- ロジカルに課題を発見し、解決策を提供できる「問題解決能力」のある人
- 社内のリソースを理解し、現場や業務の改善に活かせる「計数能力」のある人
- 部下を効率よく動かして組織の業績を上げる「マネジメント能力」のある人
もちろん、完全なスペシャリスト型やゼネラリスト型の人はごく少数。「スペシャリスト型65%、ゼネラリスト型35%」というように、それぞれの要素をいくらかずつ持つ人がほとんどです。
まず、自分が上に挙げた2つの要素をどれくらい持っているのかを、キャリアの棚卸しで確認してみましょう。それが中高年の転職を成功させる第一歩といえます。
中高年はこんな業界・職種が狙い目!
「スペシャリスト型」か「ゼネラリスト型」のスキルが求められる比率は、業界や職種によって異なります。
【介護施設の職員、ケアマネージャー、ヘルパー】
(重視されるスキルの割合:スペシャリスト★★★☆☆/ゼネラリスト★★★★☆)
介護業界は入社時から必ずしもスペシャリストとしてのスキル・経験が必要というわけではありません。またマネジメント能力や部下の育成能力に乏しい若手が多いため、ロジカル思考で現場をけん引できる管理職にも大きな需要があります。
【小売業界やサービス業界、飲食業界の販売員、フロアスタッフ、サービス開発】
(重視されるスキルの割合:スペシャリスト★★☆☆☆/ゼネラリスト★★★★★)
人材が不足している小売業界、サービス業界、飲食業界では、ビジネスパーソンとしての幅広い対応力や対人スキルなどが重視されやすく、ゼネラリスト型の中高年が注目されています。また、今後増えるといわれるミドル・シニア層向けのサービス開発では、同年代の視点を活かして活躍する道もあります。
【IT業界のエンジニア、営業、人事、総務、経理】
(重視されるスキルの割合:スペシャリスト★★★★☆/ゼネラリスト★★★☆☆)
スペシャリスト型の人が求められる業界です。特定の開発言語や専門性の高い業界向けの業務システム開発などに強い人は、年齢に関係なく重宝される傾向にあります。また、営業や事務職でもIT関連の知識が求められることが少なくありません。PMとして転職するのであれば、ゼネラリストとしてのアピールも必要です。
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