営業職で期待できる4つのキャリアパス
多くの企業で、新卒・中途共に人材採用が活発な営業職。ある程度の経験を積んでいくと、その先にあるキャリアパスが気になるのではないでしょうか。また転職を考える際にも、やはり自身が「どうなりたいのか」を明確にイメージすることは、回り道しないために重要なことです。では、営業職にはどのようなキャリアパスが考えられるでしょうか。業界・企業等によっても異なりますが、いくつか代表的なものをご紹介しましょう。
管理職orプレイヤー
まず「営業」という仕事軸で考えたいのが、「管理職」と「プレイヤー」です。同じ営業部門に身を置きながらも、その実務内容や役割は大きく異なります。
1. 管理職
営業部門の課長や部長、さらには役員など、部門あるいは企業全体を管理する立場へのキャリアアップです。無論、どのような企業でも管理職となれる人は限られています。管理職としてキャリアアップするには、突出した営業成績や経験はもちろん、例えば小中規模でのプロジェクト統括などマネジメントスキルの構築も重要でしょう。企業によっては外部から管理職候補を採用するケースも見られ、自社内ではなく転職によりキャリアパスを辿ることも少なくありません。
2. プレイヤー
あくまで営業現場でプレイヤーとしての活躍を続けます。大手企業との現場交渉もこなせる、あるいは常にノルマを達成し続けられるような営業のスペシャリストとして認められれば、同じ大きな昇給を望めるでしょう。ただしそのためには、他を圧倒するような営業成績と、その成績を維持・向上することが必須となるでしょう。営業としての即戦力性が高ければ、世界的な外資系企業など高待遇での転職も実現できる可能性が高まります。「チームを率いるよりも、現場の人間としてタフに交渉を進めるほうが得意だ」という人は、営業スペシャリストとしてのキャリアアップも視野に入れられるでしょう。
他職種への転換
次に、営業以外の職種におけるキャリアパスをご紹介しましょう。企業によっては公募により誰にでも職種転換の機会が与えられるケースもありますが、特に営業職との親和性が高く、キャリアチェンジの可能性が高いものを取り上げます。
3. 企画・マーケティング系
営業企画や事業企画、あるいは顧客獲得に向けたマーケティング分野への転身です。営業職として第一線に立ち、顧客とダイレクトにコミュニケーションを取ってきた経験が活かされるでしょう。営業職としての裏付けある知見は、市場を的確に捉え、より満足度の高いサービスを展開するための土台となるでしょう。また売上視点から強い数字意識を持って業務に取り組んできたことも、分析やそれに基づく戦略立案等に繋がります。
4. 教育担当
事業が拡大するうえで、新たな人材採用は欠かせません。また既存社員においても、より高いレベルで活動するための教育は必須でしょう。長い営業経験で培ってきた実績やノウハウは、そうした場で大いに役立ちます。直接的な個別教育はもちろん、定期研修の企画・実施などを行うことで、会社全体の営業力強化を実現することが期待されるポジションです。「勘」や「慣れ」といったあいまいな言葉ではなく、具体的な言葉と手順で営業ノウハウを伝えられる人が向いているでしょう。
この他、独立・起業する人や、全く異なる業界・職種へのキャリアパスも見出だせます。例えば人材サービスでの経験を活かして人事職に就いたり、営業経験から同分野に特化したコンサルタントとして活躍を目指したりするといった具合です。
営業職には、このように多様なキャリアパスが用意されています。自身の目指すキャリアを明確にし、早い段階からそこへ到達するための準備を行いましょう。ただしいずれの場合でも、まずは営業職として高い評価を得られるだけの実績をあげることが重要となるので、目の前の仕事に尽力することも忘れずに。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)