先輩の営業職が新人へ伝えるべきたった3つのこと
ある程度、営業職として経験を積むと、OJTなどで後輩のトレーナーを任されることがあるでしょう。そうでなくとも、先輩として後輩から質問を受けることは少なくありませんし、後輩・部下を営業同行させるケースもあるはずです。先輩として後輩と会話する機会は多くなりますが、「営業職として何を伝えれば良いのか」と困惑する人は多いのではないでしょうか。
意義も左もわからない後輩は、先輩から得た知識をもとに成長していきます。後輩ができた際に、先輩営業職として伝えるべき重要事項を3つ考えてみましょう。
1. 営業の仕事と会社における役割
まず伝えなくてはいけないのが、営業という仕事がどのようなものなのかという点です。当たり前のように思えるかもしれませんが、新卒社員の中には「営業職=とにかく頭を下げて商品を買ってもらう仕事」と思い込んでいる人もいます。
しかし、実際にはテレアポや飛び込み、ヒアリング、企画提案、納入後のフォロー、あるいは契約処理に至るまで、その業務は多岐にわたります。何度か一連の流れを通して見られる機会を作ってあげることが大事でしょう。また、「この業務がどういう意味を持っているのか」と、ある程度は座学で時間をかけて教えることも必要となります。その際、相手の理解度を確認しながら、疑問・不明点が残らないようすることがポイントです。
そのうえで、その会社において営業職がどのような役割を持っているのかを伝えます。自身の営業活動によって成果を挙げることが、会社に対してどのような影響を与えるのか。営業という仕事の意義を理解し、やり甲斐を感じるためのキッカケになるでしょう。
2. ほう・れん・そうの大切さ
ほう・れん・そうは、報告、連絡、相談のことです。最近ではITツール等でこれらを行うケースも増えましたが、スムーズに業務を進めるうえでは欠かせません。また、後輩の状況を確認し、適切な教育やフォローを行ううえでも、重要なこととなるでしょう。
ただし、「何かあれば言ってね」とあいまいにほう・れん・そうを求めるのではなく、、「これこれこういう状況になったらすぐに連絡するように」と具体的に伝えておくことが大事です。新人や新卒社員は初めてのことだらけですから、「これは相談するほどのことなのかな?」、「別に報告しなくてもいいか」と思い込みがち。そうならないように、ほう・れん・そうが求められるケースをいくつかリストで示しながら、その上で「なぜ報告・連絡・相談が必要なのか」をケーススタディで教えておくと有効です。
その際、これらを怠った場合のリスクについて取り上げると、危機感から徹底を促すことに繋がります。報告、連絡、相談する相手(あるいは部署)が複数ある際にも、漏れなく伝えるように気をつけましょう。
3. 他部署とのかかわり合い
企業の体制によっては、他部署との連携が伴うことがあります。同じ営業部署内に限っても、例えばテレアポと訪問提案、契約処理などを分業していることがあります。その場合、関連部署に後輩を連れて行きましょう。他部署とのかかわりを比較することで、自分が会社の中でどのような立ち位置にいるのか、しっかり自覚させることができます。また、あらかじめ他部署の関係者にあいさつし、顔を覚えてもらうことで、今後の業務もスムーズになるでしょう。
その他にも、例えば法務や経理など、業務全般において関わる部署も抑えておきたいところです。いずれにおいても、事前に各部署がどのような役割を持ち、実務上でどのように関わるのかを伝えておくことが重要となります。
後輩を育てることは、企業の成長に繋がっていきます。また、その後輩が著しい成果をあげれば、先輩として周囲の評価も高まるでしょう。転職する際にも、管理者・指導者という立場での成果はおおいに評価されるはずです。新たな営業戦力をつくり上げることができる人材は貴重なものですので、後輩の育成を面倒くさがらず、自分自身の成長と考え取り組んでいって下さい。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)