飛び込み営業に慣れる3つのコツ
営業手法は企業によってさまざまですが、「飛び込み営業」を思い浮かべる方は多いでしょう。飛び込み営業とは、読んで字のごとくアポイント無しでいきなり企業へ“飛び込んで”行く営業方法のこと。
営業効率を優先する近年では取り入れている企業も減りつつありますが、しかし職場によっては避けられない場合もありますし、新人営業社員にスタートラインとして飛び込み営業を課す企業も多く見られます。そこで、飛び込み営業に慣れるためのコツを3つご紹介します。
1)営業としての「基礎づくり」だと心得る
飛び込み営業は、毎日いくつもの企業を回ることになります。門前払いも多く、心身とも疲れてしまうことがあるでしょう。しかし営業という仕事を続け、成果をあげていく上では、ある程度の体力的・精神的なタフさが欠かせません。
ターゲティングから相手に合わせた提案資料を作り、トークを磨き、社内調整などを含めた準備を行って営業提案に向かう。そうした飛び込み以外の一般的な営業プロセスにおいても、1つ1つの作業に大きなパワーを要します。飛び込み営業は、そうした営業スタイルへ移行するための基礎的な土台になります。営業職として羽ばたくため、最低限必要な体力や精神力を鍛える。その目的が自分の中で明確になっていれば、前向きな気持ちで飛び込み営業に取り組めるでしょう。
2)段階毎にクリアする楽しみを覚える
飛び込み営業は、なかなか商談にまで繋がることがありません。アポイントが無い、つまり相手側がこちらに興味を持っているわけではないので、これは当然でしょう。自然と受付での門前払いも減るのですが、何度か繰り返していると担当者と会う機会を得られ、思いもよらない形で話が進んでいくことがあります。これが、飛び込み営業における喜びの1つでしょう。
受付で名乗って担当者へ繋いでもらい、ダメなら資料と名刺を置いて次へ回る。担当者に会えたら資料を見ながら説明し、興味を持ってもらえれば後日再訪…。これら営業における各段階をクリアすることに楽しみを見出だせると、飛び込み営業への印象が変わってくるかもしれません。そして段階を超えるために工夫し、振り返りによる改善を行うわけです。「今日は名刺を20枚置いてきた」、「今回は担当者に会えた!」、「今日は詳しい話を聞いてもらえた!」といった1つ1つの段階をクリアすることが、飛び込み営業における楽しみに変わるでしょう。
3)仮設を立ててゲーム化する
同じ製品・サービスでも、何にメリットを感じるかは相手によって異なります。そこで飛び込む前にその企業あるいは個人について調査し、仮説を立てて第一声を考えてみましょう。そして実際に飛び込み営業をしたあと、その仮説が正しかったか検証してみるわけです。例えば企業であれば、手元の携帯電話・スマートフォンから瞬時に企業情報を調べられます。個人ならば、庭先に置いてあるものや家の大きさなどから、家族構成が予想できるでしょう。そのうえで「この相手には、◯◯について話すと興味を持ってもらえるのでは?」と仮説を立てたうえで飛び込み営業を行います。
こうして仮説→検証を繰り返すことで営業としての提案の幅が広がりますし、「今回は自分の思い描いていた通りに話が進められたぞ」、「予想と違ったな。どこが間違いだったんだろう」とゲーム感覚で飛び込み営業できるようになります。もちろんゲームとは異なり、仕事は1つ1つが真剣勝負。しかしただ飛び込んでいつも同じ話を展開するより、「自分で考える」プロセスが含まれることで、飛び込み営業にもやり甲斐が生まれるでしょう。
飛び込み営業を経験する人の多くは、「できれば避けたい」「嫌だな」などと考えています。しかし同じくらい、「過去に飛び込み営業で得た経験が、その先に生きている」とも感じているようです。企自分のスキルアップに繋がっていることを意識することが、飛び込み営業に早く慣れていく一番の方法ではないでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)