営業職のための営業日報活用マニュアル
多くの企業で導入されている「営業日報」。その手法はさまざまですが、若手営業職の方の中には、アナログな印象を抱いている人もいるかもしれません。しかし日報は、上手く活用することで営業職としての成長やスムーズな業務推進を実現してくれます。営業日報の活用法についてご紹介します。
コミュニケーションツールとして活用する
入社間もない新人を除き、多くの営業職はその活動を単独で行っているはず。つまり、あなたがどのように日々活動しているのかを、周囲は詳細に把握できません。しかし日報があれば、例えば先輩・上司に自身の活動内容を伝えることができます。
たとえ日報提出時に相手が不在でも、日報を見てあなたが1日にどんな活動を行い、何を感じたのかを、間接的に感じ取ってもらえます。日報内に気になる点があれば、それについて後から上司・先輩に声を掛けられるかもしれません。ときにアドバイスを受けることもできるでしょう。
過去を振り返るツールとして活用する
日報は、そのまま自身の営業活動に関する記録となります。いつ、どこで、何をしたのか。例えば目標達成できなかったり、壁に直面したりした際には、必ずどこかに原因があるものです。日報を見て過去を振り返れば、そこから「以前とどこが違ったのか」、「何が原因だったのか」、「どうすれば良かったのか」が見えてくるでしょう。原因が分かれば、あとは改善策を検討・実行するだけ。ただ「なぜだろう?」と悩んでいるだけでは、前に進めません。日報を振り返りのツールとして活用すれば、営業として成長を遂げていくことができるでしょう。
組織全体の営業ツールとして活用する
1人1人が独自に営業活動していれば、そこで得られるノウハウは個人のスキルや資質に依存してしまいます。何に失敗し、どう改善したのか。あるいは、どのようにして大きな成果を得てきたのかなどが、共有されないままなのです。組織として見れば、これは非常にもったいないと言わざるをえません。
日報を組織全体で共有すれば、各営業社員がノウハウを共有することができます。日報を通じて自分に足りない部分を補える情報が得られれば、他の営業社員も同じように成果を得られる可能性が高まるでしょう。それは、営業組織全体の成長に繋がります。逆に行き詰まっている事案があれば、日報を見た他社員からアドバイスを受けることも可能です。新人が入社してくれば、日報を見るだけでも研修の一環として良い教育になるはずです。
このように日報は、活用次第で営業活動にさまざまなメリットをもたらしてくれます。もちろん、ただ日々の活動を記録しているだけでは意味がありません。自分自身がそこから何かを得ようという意識を持つことが大切です。
近年はIT化が進み、オンライン上で日報を作成できるサービスなども出ています。それならば、外出先からの移動時間などを活用することもできるでしょう。同じ日報でも組織によって適する手法は異なりますので、現状を踏まえながら活用していきたいものです。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)