40代からの営業職の転職、押さえておくべき4ポイント
プログラマやモノづくり職人など、その技術力を武器として生涯働いていける職業は少なくありません。しかし営業職は、年齢と共に会社から求められる能力・成果が変わってきます。
そしてこれは転職でも同様です。20代・30代までの転職と、40代以降の転職では、企業から要求されること、求人の質、仕事選びの心構えなどががらりと変わります。40代の営業職が転職する際に気を付けなければいけないポイントについて、要注意の4項目を解説していきましょう。
- プレイヤー+αの活躍を期待される
- 過去の成功体験や実績に執着しない
- 新しさを受け入れられる柔軟性は必須
- 転職市場全体に対して営業職の求人が少なくなる
1. プレイヤー+αの活躍を期待される
長く経験を積んできた営業職には、もちろん入社後もプレイヤーとして成果をあげることが期待されるでしょう。しかし同時に、営業社員を管理したり、あるいは新人を教育したりといった役割も求められます。つまり、プレイングマネージャーとして、営業の組織づくりに関わる活躍を期待されるのです。
こうした立場では、第一線での営業活動を部下に任せながら、組織全体の営業力強化に尽力する。トラブルが起きればその収束のため表に出ることもあるでしょう。あるいは成績が奮わない場合、自らプレイヤーとして見本を示していくことも必要です。40代ともなれば、いつまでも「プレイヤーとして一流」なだけではいけません。
2. 過去の成功体験や実績に執着しない
転職するうえで、過去の実績はもちろん大切です。それを職務経歴書や面接時にアピールすることも必要でしょう。しかし、成功体験は過去の実績に執着して、よい転職先を逃してしまうのはNGです。例えば、「これだけ売り上げがあったのだから、これくらいの年収をもらうのが当たり前だ」、「今さら平社員として入社するなんてありえない」といった変なプライドは、転職成功への妨げになります。また、実際に環境が変われば、これまでの営業手法が通じなくなる可能性があります。いつまでも「以前はこうやってきた」と過去のやり方にとらわれていては、転職後にも活躍することはできません。
3. 新しさを受け入れられる柔軟性は必須
時代と共に、会社の方針や取り扱う製品・サービス、あるいは営業手法は変わっていきます。しかし長く社会人経験を積んできた40代には、新しいものを受け入れることに抵抗を感じる方が少なくないようです。20代など若い世代は、それこそ毎日が新たな経験の連続です。スポンジのように吸収しながら、流れに乗るように変化にも対応できるでしょう。40代の営業職の場合、そうした柔軟性を意識的に身に着けていくことが大切です。
変化に対応できなければ、営業成績もやがて奮わなくなるでしょう。マネージャーなどのポジションを任されていれば、周囲からの信頼が薄れてしまうかもしれません。40代となれば、ある程度の決定権を持つポジションに就くことも多いはず。より成果に繋がる選択を行うためにも、新しいものを受け入れられる柔軟性が欠かせません。
4. 転職市場全体に対して営業職の求人が少なくなる
40代に突入すると、どうしてもチャレンジできる営業職の求人数は減少傾向になります。例えばプレイヤーとして営業職を雇うならば、活動力のある若者を採用したいと考えるでしょう。マネージャーなど管理職ならば経験が必要ですが、そうしたポジションは社内でも多くないはずです。また転職時には、どうしても給与等の待遇が気になります。20代と40代では、転職者が希望する給与額も大きく異なるでしょう。給与コストが大きい分、そうした世代・ポジションの採用について、企業も慎重にならざるを得ません。
ただし、上記の1~3を見据えて、新たな職種へジョブチェンジするのもひとつの手です。営業職で培ったコミュニケーション能力を、サービス業で活かす。長年の営業ノウハウを、営業コンサルタントとして発揮するなどといった道が考えられます。
年齢と共に、同じ営業職でも企業から求められるものが変わります。しかし向上心の高い人ならば、むしろこれまでの経験・実績をもとに、管理職などへステップアップできる可能性があるとも言い換えられるでしょう。40代で転職を目指すのであれば、営業職として何が必要なのか、そしてそれに対し自分に何ができるのかを、よく考えて行動することが大切です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)