営業マネージャーへのキャリアチェンジの5つのポイント
営業職のキャリアとして、その1つに営業マネージャーが挙げられます。多くの場合、営業職として秀でた結果を残す人材を抜擢することでしょう。しかしいざ営業マネージャーという職に就いても、思ったように活躍できないという話がよく聞かれます。
営業現場におけるプレイヤーとして有能でも、マネージャーとして活躍できるとは限りません。なぜなら、そもそもプレイヤーとマネージャーとでは、求められる能力や結果が異なるためです。それを知らずにマネージャーとしてスタートを切ると、会社からの評価も得られないでしょう。ここでは営業職から営業マネージャーへとキャリアチェンジする際、注意すべきポイントについて5つご紹介します。
1)組織全体の結果が自分自身の評価となる
営業職の多くは、自身の売上成果がそのまま評価に直結します。マネージャーの中にも、プレイングマネージャーとして現場に出続ける人がいるでしょう。しかしマネージャーは、営業組織を束ねる立場にあります。たとえプレイヤーとして自分が成果をあげても、営業組織として成績が奮わなければ、高い評価は得られません。
2)「自分で売る」から「部下に売らせる」へのシフト
営業職は、とにかく売ることが仕事です。しかしマネージャーは、部下である営業職に「売らせる」ことが重要な役目となります。営業マネージャーとなる人材は、過去に営業職として高い成果を残した人がほとんどでしょう。その経験やノウハウを活かし、部下に売らせるための戦略策定や教育を行うのです。そのため、部下1人1人の能力や営業手法などにも理解が求められるでしょう。
3)部下1人1人のPDCA管理
営業成果を残すには、PDCAサイクルを上手く回していくことが大切です。もちろん営業職1人1人も意識しますが、営業マネージャーはPDCAがどのように回っているのか、状況を管理する必要があります。そのうえで各営業職がパフォーマンスを最大化できるよう、アドバイスやサポートを行うのです。部下の人数が多いほど、その管理は大変になるでしょう。営業マネージャーには、そうした管理能力も求められるのです。
4)部下のモチベーションを高める
営業活動での成果には、精神面も大きく関わります。部下が高いモチベーションを持ち続け、意欲的に営業活動へ取り組めるようフォローすることも、マネージャーとして大切な仕事です。そのためには数字だけでなく、営業パーソン1人1人の内面にまで気を配らなくてはなりません。正しい目標を設定したり、その達成後のイメージを持たせたりすることも、モチベーションの維持・向上に繋がるでしょう。
5)上司としてのコミュニケーション
マネージャーとして部下を持てば、上司としてのコミュニケーションが求められます。とはいえ、決して偉ぶってはいけません。尊敬され、ときに良き相談役になるなど、マネージャーは頼れる存在であることも重要です。また部下だけでなく、ときに他部署あるいは企業幹部とのコミュニケーションも求められるでしょう。部下が働きやすいよう、調整役となることも必要な役目です。
営業マネージャーへとキャリアチェンジすれば、同じ営業部署でも担う仕事が大きく異なります。同時に、身に付けるべき能力や人との関わり方も変わってくるでしょう。マネージャーとして何が求められるのかを理解し、準備できるか否かは、キャリアチェンジの成否を大きく左右します。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)