新米の営業マネージャーに贈る心得3か条
営業経験を積み、今度は営業マネージャーとして抜擢される。あるいはこれまでの経験を活かし、営業マネージャーとして転職する……。こうしたキャリアはよくある流れでしょう。しかし営業マネージャーになったばかりの頃は、現場営業の感覚が抜けず苦労するかもしれません。ここでは、そんな新米の営業マネージャーに向けて、常に意識しておきたい心構えを3つお伝えします。管理職という新たな立場で活躍するため、ぜひ参考にご覧ください。
1. 部下に仕事を任せる
管理職になると、当然ながら部下の営業活動を把握し、ときにアドバイスする役割を担うでしょう。そんな中、例えば以下のような局面に出会うかもしれません。
- 営業資料がなかなか挙がってこない
- 営業先のリスト作成が遅れている
- 商談中のはずの案件について一向に結論が出ない
このように担当業務が進捗せず、見ていてもどかしく感じることもあるはずです。そうなると、つい「自分がやった方が早い」「手伝って早く進めよう」と思ってしまいます。しかしそれでは、部下が成長できません。部下に経験を積ませることで成長をうながし、その成長を支えることもまた、営業マネージャーの仕事です。すぐに自分で仕事を抱えるのではなく、部下に任せること。必要に応じアドバイスを与えながら、「何かをやり遂げる」経験をさせてあげましょう。
2. 数字に強くなる
営業マネージャーは、管轄する営業部門はもちろん、全社をとりまく数字をしっかり把握しておきましょう。部下一人ひとりがどれだけ売上をあげ、目標に対してどのような状況なのか。他部門の売上を踏まえたうえで、営業部門はどう動くべきなのか。ただ数字を管理するだけでなく、そこから具体的アクションを起こせるよう分析することも大切です。また商品・サービスによっては、時期によって売上にばらつきが生まれるかもしれません。最終的な目標に対し、必ずしも毎月12分の1を達成していけば良いわけではないのです。あらゆる可能性を考え、「現在の数字はどうなのか」を把握。それを根底に、部下へ指示を出していきましょう。
3. 自分の考えや経営理念を部下へ伝える
人の心は、本人にしか分かりません。どのような考えを持って日々業務に取り組み、どのような思いで営業部門を率いているのか。しっかり自分の言葉で伝え、部下に理解してもらいましょう。例えば何か指示を出す際にも、「なぜそれをするのか」を明確にします。目的の分からない指示は、部下からの不信感へ繋がってしまうでしょう。
また会社全体の経営理念を現場の営業社員に浸透させていくのも、営業マネージャーの役割です。会社が何のために、何を目指し、どんな考えで進んでいるのか。これがしっかり腹落ちしてこそ、全員が同じ方向に向かって進めます。しかし営業社員は、社長をはじめとした上層社員と接する機会がほとんどありません。だからこそ営業マネージャーが、その橋渡しとして伝えていくことが大切なのです。
どういう営業マネージャーが、良い営業マネージャーなのか。これは一概に言えません。管理職でありながら第一線のプレイヤーとして営業活動に関わり、部門全体を引っ張るタイプもいるでしょう。あるいは良き相談役として、全体を俯瞰しながらサポート役に徹するタイプもいます。これは会社あるいは営業部門の体質、あるいは自身の性格などによって最適解が異なるはずです。ここでご紹介した心構えを根底に置きながら、営業マネージャーとして自分のスタイルを確立していってください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)