代理店営業へ転職するには
ひと口に営業といっても、海外営業や内勤営業など、さまざまな種類があります。パートナー企業(代理店)の開拓・販売支援などを行う代理店営業もその1つです。代理店を統括する立場のため、マネージャー職のようなイメージを持ち転職先として憧れている方は少なくないでしょう。しかし実際のところ、代理店営業には代理店営業だからこそ伴う厳しさや難しさがあります。仕事の特徴を正確に捉え、自分に合っているかどうか判断しましょう。
“売る”より“フォロー”が大切
代理店営業の役割は、自社の製品・サービスそのものを販売することではありません。販売してくれる会社・個人(=代理店)を見つけること。そして、代理店が販売実績をあげられるようにフォローアップすることです。代理店が販売できなければ、当然ながら自社の売上もあがりません。しかし、なかなか製品・サービスが売れないと代理店は販売意欲を失ってしまうでしょう。そうならないよう、ときには状況を聞いてアドバイスしたり、販売方法についてレクチャーしたりと、細やかなフォローが求められます。こうしたスキルは、直接交渉をおこなう営業活動からだけでは身に付きません。
管理能力が求められる
多くの場合、1人で複数の代理店を担当することとなります。代理店によって営業人員の数も販売エリアも異なり、それぞれが独自の活動を展開しているでしょう。代理店営業は、こうした各代理店の状況を1つ1つ管理しなければなりません。そのためには、高い管理能力が求められるでしょう。営業プレイヤーとして優秀な人材が、必ずしも管理者として有能とは限りません。これは、代理店営業という仕事に置き換えても同じことが言えます。
製品・サービスの利用者の顔が見えない
代理店営業の担当者が、実際に製品・サービスを利用する人々と接点を持つことは、ほとんどないでしょう。これまで営業として「お客さまの喜ぶ声が嬉しかった」「利用者の笑顔にやる気が出た」といった点にモチベーションを感じていたならば、同じやりがいを得ることは難しくなります。その違いに戸惑い、「やっぱり直接お客さま接する仕事がしたい」といって営業職へ戻る人も多いのです。
代理店営業は、“いかに販路を広げるか”がポイントです。しかし、ただ代理店を増やしても、売ってもらえなければ意味がありません。売れる代理店を作り上げ、実際にフォローによって成果をあげる……。そうした点にこそ、代理店営業のやりがいがあると言えます。代理店営業への転職を志すのであれば、ここで紹介した特徴をよく踏まえつつ、自分に合っているかどうか慎重に判断しましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)