地方の会社で営業活動する際のポイント
同じ営業職でも、地域によって企業の社風やビジネスの進め方などが異なります。特に都心の企業から地方企業へ転職には、営業方法の違い戸惑うケースも少なくありません。Uターン転職、あるいは転勤などで地方勤務となる際には、そうした違いをよく理解しておきましょう。ここでは地方で営業する際に基本となるポイントをご紹介します。
何よりも“その人を気に入るか”が重視される
一般的に地方では、人と人との関わりが非常に重要視されます。例えば都心なら、提供される製品・サービスの内容が優先されることが多いでしょう。最近では対面での商談を省き、ほぼオンラインで契約にいたるといったことも少なくありません。
しかし地方では、どれだけ製品がニーズに合致していても、“営業担当者との人間関係”が築けなければ契約にいたることはまれです。製品・サービス以上に、その営業担当者の人間性、信頼性を気に入ってこそ、やっと具体的な検討に進められると言っても過言ではないでしょう。したがって、営業活動でも何度も商談を重ね、不満・疑問を聞き取り、ときには飲みにケーションなどでお互いの距離を縮めていくことが求められます。
ビジネスライクが通じない
都心では商談の席に着いた場合、雑談もそこそこにビジネスライクで提案に進むことが少なくありません。その方が効率的であり、お互いに余計な時間をかけずに済むという考えはあるでしょう。しかし地方でいきなり製品提案を始めると、「なんだこの人は、突然だな…」と印象を悪くしてしまう可能性もあるのです。場合によっては何度も足を運びながら、まず人間関係の構築に力を注ぐことが大切になります。地方で営業活動を行うのであれば、ビジネスライクはむしろ避けるべきものと考えてください。
メールは好まれないことが多い
営業活動においてメールは便利な連絡手段です。受信者は時間を問わず、好きなときに内容確認できますし、文章だけでなく資料を添付することもできます。最近はチャットシステムを導入する企業も増え始め、営業における連絡のオンライン化が加速しているようです。
しかし地方企業では、アナログ対応が主流ということが少なくありません。もちろんメールも使用されますが、「重要なこと、急ぎの用件は電話で」「とりあえず会って話そう」などと言われることが多いでしょう。業種によってはFAXも用いられ、大きなギャップを感じることがあるはずです。
どれだけ都心で営業実績をあげた人でも、地方で同じやり方が通用するとは限りません。地方で営業するのであれば、“過去を忘れて初心に返る”ことが重要です。地域あるいは企業の特徴をよく把握したうえで、適切なアプローチを探ってみてください。もちろん初めての土地ですから、上司・先輩から助言を受けるのも1つの方法です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)