自分自身の活動が、企業の売上・利益に直結する営業職。成果は数字で明確に分かり、中には容易ではないノルマを課されることもあるでしょう。そうした背景から、営業職は他職種と比べて大きなストレスがかかりやすい仕事と言えます。しかしストレスの原因や対処法を知れば、やりがいを持って営業という仕事に向き合えることでしょう。

営業職にストレスがかかる原因

営業職は企業の中でも、多くの人と関わる仕事です。同じ部署の同僚・上司はもちろん、製造部門や開発部門の社員と調整を取ることも少なくないでしょう。さらに商談において顧客との関わりも避けられず、難しい交渉や接待など人間関係からストレスを受ける機会が多くなります。

また営業職は、目標と数字として課されることが当たり前の世界です。ノルマ制を導入している企業もありますし、目標に対し成績が振るわなければ、プレッシャーがストレスとなってのしかかってくるでしょう。上司から現況と対策について追求されるなど、営業成績についてもストレスが伴います。中にはネガティブな思考に陥り、「自分はダメなんだ」とふさぎこんでしまう人もいるほど。そのため営業職は、日々ストレスとの戦いになりがちなのです。

ストレスに対処すべき理由

ストレスがあっても、よほどの負担でない限り仕事はできます。むしろ、軽度なストレスは現状打破のための活力と創意工夫を与えてくれる、要因にもなるでしょう。しかし、心身に悪影響をおよぼすほどストレスフルな状態は、思考力・判断力を鈍らせます。また、営業活動そのものに対する意欲も失われてしまうことでしょう。その結果、「営業トークに説得力がない」「提案内容に対して自信がなさそう」などと感じられたり、ターゲティングや資料作成などの精度が低下したりしてしまいます。

そのまま放置すれば、やがて追い詰められ、うつ状態などになってしまう可能性もあります。そうなれば、もう仕事どころではありません。そうならないためにも、早期からストレスに対処するようにしてください。ストレスは大きくなるほど、その解消が難しくなっていくものです。

実践したいストレス対処法

ではストレスを解消するために、どのような対処法があるのでしょうか。具体的には以下の2つを実践してみましょう。

①誰かに相談する

まず、必要なのが「誰かに相談する」ことです。自分が何を感じ、何に悩んでいるのか。そうした“何でも話せる相手”を見つけておくと、苦しいときより所になってくれるでしょう。家族や知人に相談するのがためらわれるのであれば、企業の産業医や各種のNPOなど、職場のメンタルヘルスの専門家など第三者機関に相談するのもいいでしょう。このとき、アドバイスを受けるというより、とにかく“聞いてもらう”ことで沈んだ気持ちを発散することに重きを置きましょう。

②休みの時間をしっかり取る

また、運動や読書、家族との団らんなど、休みの時間をしっかり過ごすこともストレス解消に繋がります。休みの時間を設けないと、「ストレスで営業がうまくいかない」→「休日を返上してサービス出勤」→「さらにストレスがたまり営業不振に」という悪循環におちいる可能性もあります。好きなこと、あるいは楽しいと感じることに取り組めば、次第に気持ちが晴れてくるものです。もちろん家族や恋人など、大切な人と過ごすのも良いでしょう。

どうしてもストレスが解消できなければ、転職によって働く場所を変えるのも1つの方法です。仕事に関わる時間を充実させるためにも、ここでご紹介した内容を参考にストレスと向き合ってみてください。（ライター：ナレッジ・リンクス／三河賢文）