ブラック営業職を転職前に見分ける5つのポイント
就業環境の劣悪な企業に対して、しばしば「ブラック企業」という言葉が使われます。しかし企業全体としては普通なのに、営業職だけがブラック…というケースがあることをご存知でしょうか。せっかく転職しても、そんなブラック営業職に身を置いてしまっては小海先に立たず、です。ブラック営業職にならないために、以下の5つの点を参考にしましょう。
1. 長期にわたって同じ求人情報が出ている
いつ見ても同じ内容の求人が出ている。こういう場合、採用部門の離職率が高い可能性が考えられます。これは、採用してもすぐに人が辞めてしまうので、恒常的に人手が不足してしまうということ。どのような企業でも、制限なしに雇用できることなどありません。2~3か月程度であれば、大量採用を行っていたり、採用が難航していたりすることも考えられるでしょう。しかし、それ以上にわたって長期的に求人が出ている場合には注意してください。
2. 面接で現場の営業社員に会うことができない
ほとんどの企業において、採用面接は複数回実施されるはずです。人事や部門長、役員など、面接を担当する人はさまざま。しかし、最終選考までの間に現場の営業担当者と会えない場合には注意してください。面接に出られないほど多忙だったり、表情から激務を感じさせられるような状況だったりと、何かしら「応募者には見せたくない事情」があることも考えられます。営業社員に不満やストレスが溜まっており、面接でネガティブな発言が出ることを避けている可能性もあるでしょう。
3. 残業時間や休日出勤などについて明確な回答がない
ブラック営業職に多いのが、過度な残業や休日出勤など。面接でこれらの状況を質問した際、明確な回答が返ってこなければ要注意です。正直に伝えれば、とても入社したいとは感じてもらえないような実態である可能性があります。あるいは、そもそも残業や休日出勤について把握しておらず、野放し状態ということも考えられるでしょう。実際に質問する際は、会社全体の平均などではなく、あくまで営業職の残業時間・休日出勤を確認しましょう。
4. 年収例にどれもインセンティブが加わっている
求人情報に年収例が記載されている場合、その金額に「インセンティブ」(あるいは成功報酬等)が加味されていないかを確認しましょう。インセンティブはあくまで成果に対して支払われるもの。入社後すぐに大きな成果は出せませんし、その年収例が“どの程度の成績を挙げた場合の例なのか”までは記載されていないはず。成果が出なければ、基本給のみで生活していかなければいけなくなります。自分が入社した場合に、どの程度の給与がもらえるのか、成果やノルマがこなせなければどうなるのか。これを、しっかり見極めましょう。
5. 成果次第での高給や役職などを強く謳っている
しばしば「若いうちから年収1000万円を目指せる!」「20代でも役員のチャンス!」など、成果次第でいくらでも高給を得られることや、経営層になれるといったうたい文句を掲げている営業職の求人があります。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。実際に、そうしたチャンスを与えている企業もあるでしょう。
しかし、こうした高給・役職などをチラつかせ、激務を強いるようなケースも残念ながら存在します。「なぜ営業職が年収1000万円を実現できるのか?」「営業の全員が年収1000円なのか?」「役員になれなかった営業職は、どのように働いているのか?」など、うたい文句の裏まで踏み込んで考え、単なる“釣り”ではないかを考える必要があります。
せっかく苦労して転職しても、劣悪な環境では長く働くことは厳しいでしょう。すると短期間での転職歴を増やしただけで、無駄な時間となりかねません。営業職としてのキャリアをよく考えたうえで、しっかり判断するようにしてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)