コンサルティング営業は普通の営業とどう違う?
営業職といっても、取り扱う商品・サービスや業界などによって、その手法や求められる資質が異なります。特にここ数年、営業職の中でも『コンサルティング営業』『コンサル営業』といった言葉をよく見かけるようになりました。しかし初めてこれらの言葉を目にした方は、「いったい何が普通の営業と違うのだろう?」と疑問に感じるかもしれません。
ここではコンサルティング営業について特徴を挙げ、一般的な営業職との違いについて解説していきます。転職先の1つとしてコンサルティング営業を視野に入れるなら、参考にご覧ください。
取り扱う商材の違い
営業職の本質的な使命は、自社商品・サービスの営業活動を通じて顧客の抱える課題を解決へと導くこと。この点は、コンサルティング営業も同様です。しかしコンサルティング営業の場合、単純に自社の商品・サービスを提案し、それによって課題解決を目指すものではありません。さまざまな手法から、クライアントの課題解決にもっとも有効な手段を幅広く提示し、「どうすれば課題が解決できるのか」という解決策そのものを、クライアントに対して提供していくのです。
売りたい商品・サービスありきでその提案に注力する一般的な営業職とは、ここが大きく異なります。解決策が前提となって、それにマッチした自社の商品・サービスを盛り込んでいくわけです。
営業手法や仕事内容の違い
一般的な営業職の場合、まず売り込むべき商品・サービスがあり、それが必要とされる業界あるいは企業をターゲットとして営業活動を行います。しかしコンサルティング営業の場合、特定の業界をターゲットとするようなケースは少ないでしょう。
まずは相手の課題を明確化し、そのための解決策を練り上げる。そのうえで、解決に必要な商品・サービスを提案して組み立てていくのが、全体的なコンサルティング営業の流れです。企業によって抱いている課題は異なるため、提案方法や提示すべき解決策、また最終的に提案できる商品・サービスも異なります。どのような商品・サービスを提案すべきか、一般的な営業職とは違って初期の提案時点では分からないため、コンサルティング営業は1つのクライアントに対して長期的な活動が必要となるでしょう。
求められる資質の違い
コンサルティング営業には、相手の課題を引き出すためのヒアリング力が欠かせません。中には表面的な問題は分かっていても、その原因が社内で明確化できていない場合もあるでしょう。そんなときは、営業職がそのヒアリング内容から、まず潜在的な課題を見つけ出すことが必要です。そのうえで、課題に対して「どうすれば解決できるのか」を導き出すための分析力、解決策に納得を得るための提案力も求められます。
また、商品・サービスの決まっている一般的な営業職と異なり、コンサルティング営業はさまざまな商品・サービスに関する理解が必要です。クライアント企業の業界も多様ですので、広く業界知識がなければ、会話が成立しない事態も考えられるでしょう。そのため、より高い情報収集能力と、それに基づく豊富な知識が必要です。
例え営業職として高い実績を挙げてきた方でも、コンサルティング営業としても同様の活躍を見せられるとは限らないでしょう。営業職としての転職先にコンサルティング営業を考えるのであれば、ここで解説した内容から実際の業務をイメージし、自分に向いているかどうかじっくり検討してください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)