外資系企業にまつわる5つのウソ・ホント
外資系企業と日系企業の間には社風や業務の進め方、社員評価などについて大きな違いがあります。しかしそうした違いがさまざまな憶測を生み、外資系企業に対する誤解につながっていることも少なくありません。外資系企業についての気になる“ウソ・ホント”を見分け、正しい転職につなげましょう。
- 外資系企業で働くには英語が必須!
- 外資系企業では直属の上司との関係が大事
- 個人成績が良くてもいきなり解雇されることがある
- 日系企業よりも出世は簡単
- 外資系企業は休日がたくさんある
1. 外資系企業で働くには英語が必須!
→ ウソ
確かに外資系企業では、国内企業よりも英語力を求められます。英語力不問の企業もありますし、そもそも英語を使用しない外資系企業だってあります。
こちらの記事にあるように、外資系企業といってもその形態はさまざまです。外国企業に買収された日系企業には英語を使用しないポジションもたくさんありますし、経理や総務などのバックオフィス、日本人顧客を相手にする営業職なども英語をまったく使用しない可能性が高いでしょう。
もちろん英語力の高さはキャリアにとって有利ですが、すべての外資系企業でそれを生かせる機会があると思い込まないようにしましょう。
2. 外資系企業では直属の上司との関係が大事
→ ホント
外資系企業において、個々の社員を評価するのは直属の上司であることがほとんどです。無論、上司との関係が悪化すれば昇進・昇給に響くことも珍しくありません。そのため、直属の上司との人間関係は良好に保つ必要がありますし、場合によっては理不尽な要求にも耐える必要があります。
こう聞くと、「外資系企業は日系企業より人間関係がドライなのでは?」と思うかもしれません。確かにドライなのですが、それは会社全体を比較した際の話。部署の飲み会に強制参加させられたり、同僚たちに遠慮して付き合い残業をしたりすることはありませんが、個々の社員の間に人間味がないわけではないのです。外資系企業の上司との付き合い方には十分注意しましょう。
3. 個人成績が良ければ解雇されることはない
→ ウソ
多くの場合、日本国内にある外資系企業は、本国からの意向に大きく左右されます。日本法人の業績が悪ければ社長の首が変わることだってありますし、もっと業績が悪くなれば日本からの撤退もあり得ます。
そういったとき、日本法人の社員は基本的に全員が解雇されます。本国側が社員の転職先を探してくれるといったことも、まずありません。あなたの個人成績にかかわらず撤退=解雇と考えていいでしょう。これは外資系企業で働く際には避けて通れないリスクなので、しっかり肝に銘じておく必要があります。
4. 日系企業よりも出世は簡単
→ ウソ
上記にある通り、日本国内にある外資系企業は、本国の意向に大きく左右されることがほとんどです。本国にとっては本社こそ最重要拠点であり、日本法人は世界各地にある“支社のひとつ”でしかありません。本国で採用されるか、「世界全体で見て日本がとびぬけて高い業績を上げている」といったことでも起きない限り、出世コース=本国の本社なのです。
また、外資系企業は個人の役割が明確なので、社員は専門職であることが求められます。営業なら営業、SEならSEというようにやるべきことは決まっていますし、管理職も管理職(マネージャー)という専門職です。したがって、「営業職を10年勤めたから課長になれる」という年功序列な昇進制度はめったにありません。
5. 外資系企業は休日がたくさんある
→ 一部ホント、一部ウソ
この点についてはホントでありウソでもあります。“休日が取りやすい”という意味ではホントです。良くも悪くも成果主義かつ個人主義なので、成果を上げた人は夏季や年末年始に長期休暇を取ることもよくあります。
逆を言えば成果が上がっていない人は、休日出勤も視野に入れなければならないでしょう。もちろん休日出勤するかどうかは個人の判断ですが、「夏休みを取った分、営業成績が下がるのは仕方ない」などという言い訳を、外資系企業は聞き入れません。また、ゴールデンウイークのような日本特有の連続休暇についてですが、本国が休みでないために出勤日とする外資系企業も少なくありません。