ITエンジニアの「キャリアの棚卸し」
ITエンジニアが転職を考える際には、「キャリアの棚卸し」が役に立ちます。キャリアの棚卸しとは、つまり自身の経験やスキルといった情報を明確化すること。もちろん、転職だけでなく、これからのキャリアアップを見直す際にも役立つものです。ITエンジニアであれば、以下3点からキャリアの棚卸しをしましょう。
- 時系列で経験した業務を列挙する。
- 業務で得られた経験や知見を整理する。
- 自身の得意分野を理解する。
1. 時系列で経験した業務を列挙する。
まずはこれまで手掛けてきた業務を書き出してみましょう。ITエンジニアとしての業務を書き記すときは、最低限以下の点に注意して書き出しましょう。
- ・参加プロジェクトの規模
- ・チーム構成
- ・チームでの役割(メンバーなのかリーダーなのか、など)
- ・使用技術
- ・携わった業務
- ・携わった期間
- ・業務の分野(金融なのか保険なのか、など)
その内容を読んでみて、どのような立ち位置でプロジェクトに携わったのかが分かるように書くと、あなたの業務歴を明確にすることができます。経験の長い中堅以上のITエンジニアは、特にアピールできそうなプロジェクトに絞って書き出してもOKです。
2. 業務で得られた経験や知見を整理する。
1で書き出した業務のそれぞれについて、得られた知見や改善できた点などを書き出してみましょう。ITの開発では、何も問題なく完了するプロジェクトのほうが少ないもの。しかし問題が起きたとしても、そこでの経験や改善できた点は、次に携わるプロジェクトにも活かせます。
何が得られたか思いつかないという人は、「そのプロジェクトでの教訓は何か?」と考えてみましょう。「進捗の遅れを取り戻すため、積極的にコミュニケーションを図った」「新人のサポートを通じて○○の言語を強化できた」といった具合です。設計や開発などエンジニアとして当たり前と思えるような経験でも、漏らさず明記しておくといいでしょう。
3. 自身の得意分野を理解する。
1と2を踏まえて、自分の得意分野・苦手分野を整理しましょう。経験してきたことと、そこから得られたことがわかれば、自分の強みと弱み(足りない部分)も明確になります。今後のキャリアアップの参考になるでしょう。
もちろん、苦手な分野をカバーするようにスキルアップする方法も考えられます。しかし苦手なものは、努力に要する時間も長くなる傾向にあります。そのため、キャリアアップや転職を考える際には、得意分野を活かしやすい現場を選択すると良いでしょう。そのためにも、自身の得意分野を理解しておくことは重要です。
キャリアの棚卸しを行うことで、ITエンジニアとしての自分の強みや今後の方向性を理解することができます。得意なこと、あるいは好きなことは長続きしやすく、実力を発揮できる可能性も広がるでしょう。自分自身について理解することで、キャリアアップや転職が成功へと近づくはずです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)