女性管理職に求められる資質
政府の男女共同参画推進本部は、「2020年までに社会のあらゆる分野において女性管理職を全体の3割まで引き上げる」という目標を掲げています。すなわち、今後女性が管理職に登用される割合は増えていくと予測されます。あなたが女性管理職に任命される日もそう遠くないかもしれません。
では、管理職となって活かせる女性の資質とはどんなことなのでしょうか。女性が抱えがちな弱みも知り、女性管理職の増加をスムーズに促していきます。
女性ならではの強みをとらえる
女性が管理職で活かせる強みを知る前に、女性がビジネスで発揮できる強みを考えてみましょう。女性がビジネスで発揮できる強みは、大きく以下の三つが考えられます。
- こまかな気配りができる
- 折衷能力
- 共感する力
1は仕事仲間の変化を敏感に察知し、気配りができることです。部下のモチベーションをコントロールしたり、落ち込んだ同僚をケアしたりすることができます。
2は関係者の言い分や意見を聞き、方向性をまとめ上げることができることです。他者の言葉に耳を傾けながら、よりよい選択をしていくことができるのはビジネス上の大きな強みとなります。さらに3の強みでは、それぞれの人の立場に立って話を聞き、顧客や一緒に働くメンバーの課題を深く理解することができます。
女性特有の弱みもおさえを押さえる
では逆に女性が陥りがちなビジネス上での弱みとはどんなことでしょうか。それを知ることで、女性管理職がはまりやすい落とし穴に事前に気づくことができます。下記、三点に帯する予防策を講じることが大切です。
- 感情的になりがち
- 組織の論理の中で上手に立ち回れない
- 好き嫌いで人を判断してしまいがち
1は、理論ではなく感情で物事をとらえてしまいやすいということです。生き馬の目を抜くビジネスの世界では、感情を配した理屈で考えなければ業務に支障を来す危険性があります。
2についていうと、女性は男性より組織というものを敬遠しやすい傾向があります。例えば、上司の判断に対しても、自分が納得いかなければ「NO」と言いがち。それは長所でもありますが、微妙なパワーバランスが問われる組織の中では短所にもなりえます。
また、3は対人関係において好き・嫌いという嗜好を持ち込みやすいということです。自分の性格や趣味・嗜好を抜きにして、ビジネスライクに人と付き合うことが苦手な傾向にあります。
女性管理職に求められる資質
上記を踏まえたうえで、女性管理職が活かせる資質を考えてみましょう。まず前提として、業務上の知識やマネジメント手法といった「テクニカル・スキル」、組織やチームの運営に必要な問題解決力・応用力といった「コンセプチュアル・スキル」は、男女問わず、時間をかければ誰でも身につけることができます。
したがって、「女性ならでは」の強み・弱みがかかわってくるのは、管理職としての人間関係を構築する「ヒューマン・スキル」です。このヒューマン・スキルにおいて、女性管理職には以下のような資質が求められると考えられるでしょう。
- 部下の状況を察知することができる
- 顧客・上役・部下などの意見を聞き、調整することができる
- 各意見を聞きベストな判断を下すことができる
- 感情をコントロールし、フラットな関係性を築くことができる
- 組織の全体像を把握し、その中で自分の役割をとらえる
女性ならでは強みはコミュニケーションに活用することで、細やかな人員マネジメントや意見調整能力が発揮できそうです。逆に、弱みは抑制することで感情論に振り回されず、ビジネスライクな判断を下せるようになるでしょう。(ライター:香川とも)