女性が初めて部下を持ったときの注意点5か条
近年、企業の女性登用が進むにつれて、女性の管理職も増え始めています。中には「実績を認められ、はじめて部下を持つことに!」なんて浮き足立ってしまう女性社員もいるかもしれません。
しかし今まで日本企業は男性中心に回ってきました。女性が管理職になることで新しい風が入るという利点と共に、今までになかったトラブルも起こる危険性が考えられます。女性上司が部下と接するときの注意点を考えてみましょう。
- 完璧を求めすぎない
- 感情に左右されない
- 部下と「仲良し」になろうとしない
- 忙しい自分に酔わない
- 好き嫌い・合う合わないで対応を変えない
1. 完璧を求めすぎない
往々にして、女性の方が他者の細かい点に気がつきやすいもの。長所だけでなく、短所にも気が付きやすいので、女性上司はそれを正そうしがちです。しかし、大人になってからの人の性格や気質はなかなか変わりません。規律やコンプライアンスの上でどうしても許容されない事項には厳しく対処すべきですが、人の性格や考え方など、ビジネス上問題ない部分に関してまで細かく注意しすぎると、部下が疲弊してしまいます。
また、「少し抜けている上司」くらいの方が部下の自主性が育ちますし、人間らしさを見せることで部下と良好な関係を築けたりもするもの。完璧さにこだわりすぎず、バランスよく部下と接しましょう。
2. 感情に左右されない
一般的に女性は男性よりも感情が豊かだといわれています。人付き合いではそれがプラスなることもありますが、マネジメントにおいては裏目に出てしまう場合もあります。一時的な感情で叱りつけたり、「今日は機嫌がいいから」という理由で誉めたりしていては、部下たちは戸惑ってしまいます。
また、部下の言動についカッとなることもあるでしょう。しかし、冷静さを欠いた状態で部下を叱っても、何もいいことはありません。部下に注意する際にはまずは深呼吸をして、論理的に、声を荒げずに注意することが大切です。
3. 部下と「仲良し」になろうとしない
女性は男性よりも人間関係やコミュニケーションを重視する性質が強いものです。そのため、「チームを仲良くさせなければ」と思ったり、「もっと親密にコミュニケーションしなければ」と思ったりしがち。
しかし、職場はあくまで「仕事をする場所」。馴れ合いがはびこる「仲良しグループ」では、いざというときにリーダーシップが機能しません。時には自分が泥をかぶる覚悟と責任感を持つことも、上司には大切です。あえて嫌われる必要はありませんが、「やるべきことはやる・言うべきことは言う」というスタンスを持ちましょう。
4. 忙しい自分に酔わない
管理職になるとこれまで以上に仕事に張り切ってしまうもの。「こんなに忙しいのも、私がデキる証拠!」なんて思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、常に忙しそうにしている上司には、部下は話しかけづらいものです。「フリ」でもよいので、余裕があるように構えましょう。
特に部下が話しかけて来た時に、「いま忙しいから、後にして」というのはNGです。多かれ少なかれ部下は緊張して上司に話しかけているものですから、その気持ちをきちんとくみ、作業の手を止めて話を聞くようにしましょう。
5. 好き嫌い・合う合わないで対応を変えない
「どうしても好きになれない」「生理的に合わない」という部下と出会うこともあるでしょう。2で触れた通り、女性は男性よりも感情に左右されがちな傾向があります。しかし、ビジネスの場では好きだからといって関係を深めすぎたり、嫌いだからといって話を聞かなかったりということはあってはいけません。
人は「嫌われている」ということにとても敏感です。そして「上司から嫌われている」と感じた部下の不信感を払拭するのは至難の業。あなたが好きになれない・合わないと感じた人であっても、その能力や役割は会社に欠かせないものかもしれません。良い意味でビジネスライクに部下と接することが重要です。
女性管理職はこれからどんどん増えていくことが予想されます。あなたが管理職に抜擢された場合に備えて、これらの1~5を押さえておけば、部下のマネジメントにも役立つはずです。(ライター:香川とも)