知っておきたい! セクハラに負けない働き方
今後さらに女性の活躍を正しく評価しようという時代がやってきています。しかし、そんな社会になっても根強く残るのがセクハラ。企業によっては専門の相談窓口を設けているところもありますが、女性が訴えを起こせずに泣き寝入りしてしまうケースも多いようです。
「セクハラを訴えることが恥ずかしい」「問題にすると会社にいづらくなる」と言い出せず、ストレスを抱え込んでしまう女性は少なくありません。しかし、そうした気持ちを抱いていては、キャリアアップも転職も成功しません。働く女性が生き生きと活躍するために必要なセクハラ対策を考えてみましょう。
そもそもセクハラって何?
セクハラ(セクシャルハラスメント)の明確な基準はありませんが、一般的に「相手の意思に反して不快・不安な状態に追いこむ性的な言動」と見なされています。つまり、その言葉や行為を受けた人がどう感じるかが問題となります。また、ここでいう『性的』とは、女性らしさや男性らしさに関するものも含みます。以下に具体例を挙げてみましょう。
- ・相手の意思を無視して身体に触れてくる
- ・性的関係の強要
- ・スリーサイズや個人的な性的体験を聞いてくる
- ・「最近デートした?」などの恋愛関係を執拗に聞いてくる
- ・「そろそろ結婚したら?」など結婚について聞いてくる
- ・「女性らしい服装にしろ」など見た目に関することを言われる
- ・水着やヌードなどセクシャルなポスターなどを職場に貼る
- ・デートや食事などにしつこく誘う
- ・「女のくせに」「男のくせに」などと性別による差別をする
「クビになりたくなかったら愛人になれ」など、職務権限や周囲の圧力などによって性的な言動や行為を強要するタイプのセクハラは「対価型セクハラ」と呼ばれます。一方、労働者の意に反するほどの不快な就業環境や社風により本人の意欲や能力が低下するセクハラは、「環境型セクハラ」と呼ばれます。また、男性から女性へのセクハラだけでなく、女性から男性へのセクハラ、同性同士のセクハラも存在します。
働きやすい環境を作るためのセクハラ対処法
セクハラを訴え出るのは、女性にとって(男性にとっても)勇気がいることです。しかし、セクハラを我慢し続けて労働意欲や業務効率が低下すれば、結局は企業側に迷惑をかけることになります。そのため、セクハラ対策をしっかり身につけておく必要があります。
セクハラ対策には、「自力でできることをする」「相手に意思を伝える、周囲に助けを求める、外部の相談窓口に頼る4つの方法が考えられます。それぞれ具体的にみていきましょう。
【自力でできることをする】
- ・「自分にも落ち度があったかも…」などと、自分を責めない
- ・同様の被害に遭っている人はいないか探る
- ・いつ、何をされたかをメモや日記、録音データなどで残しておく
【相手に伝える】
- ・不快だということ、やめて欲しいことを伝える。その際、第三者に同席してもらう
- ・相談機関を利用する可能性があることを伝える
【周囲に助けを求める】
- ・加害者の上司や同僚に相談し、これまでの被害実態を客観的に伝える
- ・会社の相談窓口や人事部などに伝える
【外部の相談窓口に頼る】
- ・労働センターの労働相談窓口にセクハラを受けていると相談する
- ・人権相談窓口に相談する
- ・地方自治体が設けるセクハラ被害相談窓口で相談する
- ・強姦や強制わいせつなどの場合、警察や弁護士などに相談する
それぞれを順番に試してみるということではなく、あまりにひどいセクハラならばすぐに外部機関に訴え出たり、証拠を保管しながら相談窓口でアドバイスを得たりということが考えられます。セクハラによる被害を社会からなくすには、自分ひとりで抱え込まず、周囲からの協力を得ることが何よりも大切なのです。
多くの人がセクハラ被害を我慢してしまいます。しかし、働く女性はこれからもどんどん増えていきます。女性が働きやすい職場をつくるために、あなたの勇気が必要になります。生き生きと働き続ける、また次世代の働く女性たちのためにも、ひとりで我慢せずきちんとセクハラ対策をしていきましょう。味方になってくれる人や機関はたくさんいますよ。(ライター:香川とも)
●女性の人権相談窓口はこちら
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken108.html