人気の「手に職」転職 そのメリットと注意点
「手に職をつけたい」、「自分の腕で稼げる仕事に就きたい」という言葉をよく聞きます。特に女性の転職では、ネイリストやアロマテラピストなどといった職業が人気です。しかし、本当に手に職をつけていれば安心なのでしょうか。手に職をつけることはどんなメリットがあるのか、そしてどんな注意点を踏まえておかなければいけないかを考えていきたいと思います。
「手に職をつける」転職にはどんなケースがある?
手に職をつける場合、どんなケースがあるのでしょうか。見ていきましょう。
士業関係の仕事
・ 司法書士
・ 行政書士
・ 社会保険労務士
国家資格があり、専門学校や通信講座などで学んで取得するケースが多いです。独立性も高いので「ゆくゆくは自分の事務所を持ちたい!」という目標に向かって働くこともできる仕事だといえます。難関資格ですが、仕事の供給率も比較的安定しており、結婚・出産後の女性も多く活躍しています。
サービス業関係の仕事
・ アロマテラピスト
・ ネイリスト
・ フラワーデザイナー
・ ヨガインストラクター
もともと趣味だったものから資格取得にステップアップし、職業につなげていったという方が多いです。趣味の一貫で学んでいたので、楽しみながら仕事ができるという利点があります。ただし、比較的新しい職でもあるので、安定的な収入が得られない可能性があります。ニーズのある立地でしか働けないという側面もあるでしょう。
医療・介護に関する仕事
・ 介護福祉士
・ 心理カウンセラー
時代の世相を反映してニーズが高まっている職業です。介護福祉士であれば、デイケアなのか、老人ホームなのか、訪問介護なのか、といったように同じ資格であっても働くスタイルはさまざま選ぶことが可能です。
WEBに関する仕事
・ WEBデザイナー、クリエイター
WEBの技能を持つ方は、どの会社においても重宝がられることが多いです。制作会社でなくとも、近頃はHPやメルマガの配信などをする企業は増えているので、「WEBが得意」となると「じゃあ、これもやって!」と依頼されるようになっていくでしょう。しかし、デザイナーやクリエイターとしてのみ仕事ができるか、といわれるとそうでもなさそうです。
「手に職」のメリットとやりがい
手に職があれば、自分の関心の高い仕事をずっと続けていくことができます。会社からトップダウンで言い渡される仕事ではとてもやる気がしないという方も、自分の決めた道であればモチベーション高く、スキルアップをしていけるでしょう。自分で道を拓くようなやりがいも感じられるはずです。
また、同じジャンルで異なる職場に移りたい(転職したい)のであれば、手に職があることは有利に働く可能性が高いです。「夫の転勤で拠点が変わったので、今までとは違う土地で働きたい」などの要望がある場合、手に職があればスムーズに就業できる可能性が高いです。もちろん、意欲とビジネスセンス次第では自分の店・サロンや事務所を持つことも可能。目標を持てることが何よりもの魅力だといえそうです。
「手に職」をつける転職の注意点
とはいえ、手に職があるからこそ転職やキャリアアップにつまずいてしまうことも。注意すべき点とはどんなことなのでしょうか?
・ 向いていない場合に、つぶしがきかないケースがある
・ 現在の収入よりダウンの可能性もある
・ 職に就いてからがスタートライン
夢を持って走り出した仕事だったが、実際始めてみたら全く向いていなかったという場合もあります。「今さら会社勤めに戻ることもできない…」なんて状況も考えられますから、実際に手に職系の仕事に就く前には入念な下調べを行いましょう。最初は会社と両立して、土日だけ新たな仕事をトライアルしてみるなどの方法は有効です。
また、なりたい仕事に就いたらそれで終わりではありません。これまでの会社で働くよりも収入が減ったり、収入が安定しなくなったりする可能性も十分に考えられます。顧客に選び続けてもらうには、起業家的な目線と新たな知識・技能を学び続ける姿勢が大切です。
手に職を付けることの注意点も踏まえつつ、長い目でみて自分が納得のいく転職ができることが重要です。まずは、手に職を就けることを、自分のキャリアを考える機会にしてみてはいかがでしょうか。(ライター:香川とも)