女性が活躍できる会社かどうかを見抜く「10個の逆質問」
私たち女性が、男性と同じように長く働きたいと思うのは当然のことです。ずっと同じ会社である必要はありませんが、大切なのは、自分の能力を発揮でき、成長できる環境を見つけること。そのためには、面接での「逆質問」が強い味方になります。
面接担当者からの質問に答えるだけでなく、あなたから質問することで、会社の本当の姿が見えてきます。女性が活躍できる環境かどうかを知るには鋭い質問が必要ですが、あまり攻撃的な質問はNG。柔らかく、でも本質を突く質問を心がけましょう。
1.女性社員の現状を知る
それでは、具体的にどんな質問をすればいいのか。まずは、会社の現状を把握することから始めましょう。
Q1:「御社の女性社員の割合はどのくらいですか?」
これは基本中の基本です。単に数字を聞くだけでなく「その割合は5年前と比べてどう変化していますか?」と続けるのがポイント。変化の傾向を聞くことで、会社の取り組みの成果や今後の方向性が見えてきます。
Q2:「女性管理職の割合はいかがでしょうか?」
ここでも同じように、過去からの変化を聞いてみましょう。さらに、こんな質問を加えるのもいいかもしれません。「今後、女性管理職の割合を増やしていく計画はありますか?具体的にどのような取り組みをされていますか?」
2.働き方の柔軟性を探る
長く働き続けるには、ライフステージの変化に対応できる柔軟な働き方が欠かせません。
Q3:「育休取得率や時短勤務の利用率はどのくらいですか?」
具体的な制度名を挙げてもらい、利用実績も聞いてみましょう。男性の育休取得も重要なポイントです。男性も積極的に家庭責任を担う文化があれば、女性も働きやすい環境だといえます。
Q4:「在宅勤務やフレックスタイム制など、柔軟な働き方の選択肢はありますか?」
コロナ禍を経て、多くの会社が柔軟な働き方を導入しています。制度があっても利用しにくい雰囲気では意味がありません。「それらの制度は、どのくらいの社員が日常的に活用していますか?」と聞いてみましょう。
3.キャリアアップの可能性を探る
成長できる環境かどうかは、長く働き続けるためのカギです。
Q5:「女性社員のキャリアパスについて、具体例を挙げていただけますか?」
女性社員がチームリーダーや管理職、役員になれるキャリアパスがあるか、実際にそのようなルートで昇格したケースがあるかについて尋ねてみましょう。
ロールモデルとなる女性社員の存在は、とても心強いものです。「例えば、産休・育休を経て管理職に就任された方や、転職後にキャリアアップを果たした方などのケースがあれば教えてください」と質問してみてください。
Q6:「社内の研修制度について教えてください」
ここでのポイントは、女性社員も積極的に参加できているかどうか。「リーダーシップ研修の女性社員の参加率はどのくらいでしょうか?」という質問で、Q5で聞いたキャリアパスに沿った昇格を、会社がサポートしているかどうかが分かります。
4.職場の雰囲気を探る
制度や数字だけでなく、日々の職場の雰囲気も大切です。
Q7:「女性社員の声を聞く機会はありますか?」
この質問で、会社が女性社員の意見をどれだけ真剣に聞いているかがわかります。「例えば、女性社員を対象とした定期的なアンケートや座談会などは行われていますか?その結果、実際に改善された点などがあれば教えてください」
Q8:「ハラスメント防止のための取り組みについて教えてください。」
残念ながら、職場でのハラスメントはまだまだ存在します。防止策と対応策の両方を聞いてみましょう。「相談窓口は設置されていますか?また、相談後のフォロー体制はどのようになっていますか?」という質問は、女性でなくても良好な職場環境を維持するためには気になるところです。
5.会社の将来ビジョンを探る
最後に、会社全体の方向性を確認しましょう。
Q9:「御社が目指す『理想の職場環境』とは、どのようなものでしょうか?」
抽象的な質問ですが、もしこれに答えてくれる会社があれば、本気度が見えてきます。「そのビジョンの実現に向けて、現在取り組んでいることや今後の計画があれば教えてください」と重ねて聞いてみましょう。
Q10:「ダイバーシティ&インクルージョンについて、御社ではどのようにお考えですか?」
まだまだ先進的な考え方ではありますが、多様な人材が組織に所属する「ダイバーシティ」や、多様性を受け入れて個々の特性が活かされている「インクルージョン」について、会社や職場がどう考えているのか尋ねてみるのもいいかもしれません。
単に「重要です」という回答ではなく、具体的な取り組みや成果を聞きましょう。「女性活躍以外にも、例えば外国人社員の採用や障がい者雇用などについて、どのような方針をお持ちですか?」といったものです。
あなたの「逆質問」は歓迎されるはず
ここまで10の質問例を紹介しましたが、すべてを聞く必要はありません。自分にとって特に重要なポイントを2~3個選んで質問しましょう。なお、1点でも消極的な回答があれば「入社NG」とすべきかどうかは、判断の分かれるところです。
また、会社データについては自社の採用サイトに掲載されていることも増えており、あらかじめチェックしておき、それを踏まえて質問した方がいいでしょう。
「女性活躍」を本気で考えている会社なら、あなたの(逆)質問を歓迎するはずです。逆に、質問をはぐらかしたり、形式的な回答に終始したりする場合は要注意。そんな会社では、実際に働き始めてから苦労するおそれが高いです。
データや制度は重要ですが、最終的には「この会社で働きたい!」という直感が大事です。面接は会社を選ぶ大切な機会。緊張せずリラックスして、自分の目と耳と心で、じっくりと会社を観察してくださいね。