働く女性の悩みの種 年上部下との接し方
近年、企業における年功序列制度が否定されつつあり、実力主義・成果主義の時代へと突入してきました。そのため、年上部下と年下上司といった関係も一般的になっています。しかし、実際に自分がその立場に置かれたら、接し方はなかなか難しいもの。特にキャリアウーマンからは、年上の部下との接し方が難しいという悩みが聞こえてきます。
年下の部下を持つというだけでも難しいのに、自分が女性であるということでさらに事態がややこしくなっているようです。年上部下を持った女性はどう対応していけばよいのでしょうか?
年上部下を持つ女性の悩み
年上部下を持つ女性には共通する特有の悩みがあるようです。
- ・年上部下に注意や指示をしても「女性のくせに」という態度をとられる
- ・年上部下に注意をするとふてくされる
- ・こちらが敬語で話しても、年上部下はため口
- ・年上部下にお礼や報告をされない、横柄な態度をとられる など
もちろん、すべての年上部下が年下の女性上司に反発心をいだくわけではありませんが、一部の年上部下は、ひがみや嫉妬などの感情を持ってしまうようです。上司からすれば、自分の上司としての役割を果たしにくい状況に置かれていると感じてしまいます。
年上部下との正しい接し方
年上の部下でも通常と変わりなくマネジメントするためにはどんなポイントをおさえていたらよいのでしょうか?
・分け隔てなく対応する
「年上の部下を持つ」という事実だけで、つい気構えてしまいそうですが、だからといって特別扱いは禁物です。ほかの部下と同じように対応しましょう。ベテランだからといって、「こんなことを教えて失礼かな」「注意した方がよいけれど、目をつぶろうかな」などと敬遠していると、事態は悪化してしまいます。教える(指示する)ことは明確に基準を設け、注意すべきことは丁寧に注意しましょう。
・一貫性を持つ
リーダーにとって必要な一貫性を、年上部下は特に注意して観察しています。言っていることがころころ変わっていては、部下は迷ってしまいます。特に女性は「感情で仕事をしている」などと見られがち。そのため、常日頃から、矛盾していないか、ぶれていないかということを意識して部下と接するとよいでしょう。
・「社内では部下、人生においては先輩」という意識を持つ
年上部下は、社内ではあなたの部下となっていますが、その人があなたより人間的に劣っているというわけではありません。そのため、社会人として・人間としてや学ぶことも多くあるでしょう。敬意を払って対応することにより、人間関係が良好なものとなっていくでしょう。
・意見をもらう機会をつくる
最終的な判断をするのは上司であるあなたです。しかし、それまでのプロセスを助けてもらうことは恥ずかしいことではありません。むしろ、年上の部下には意識的に相談をしていくとよいでしょう。自分にはないような人脈を持っていたり、社内の情報に通じていたりするからです。また相手が男性であれば、女性に頼られて嫌な気持ちがする人はまずいないというメリットもあります。
・叱り付けるのではなく、話し合う姿勢を意識する
年上部下が失敗をした際、それを頭ごなしに年下の女性上司から叱られたらどう感じるでしょうか。「おもしろくない」とふくれる人もいるでしょう。ポイントは頭ごなしな否定はしないことです。たとえミスをしたとしても、「どうして失敗してしまったのか」「再発を防ぐためにはどうしたらよいか」などを話し合う姿勢が重要です。
最終的に、「○○が悪かったと思う」「次回からは△△としたい」というような反省の言葉・改善策を引き出すことができれば、上司と部下の関係性が崩れることはありません。
年功序列制度が時代遅れのものになっていけば、年上の部下はさらに増えていくでしょう。上手な付き合い方を学んで、風通しのよい上司・部下の関係性を築くことが求められそうです。(ライター:香山とも)