「『好き』を仕事に!」の前に考えるべきポイント
「好きなこと」を仕事にすることを目標にする人は少なくありません。特に女性は、ネイリストやパティシエ、インテリアデザイナーなど憧れの職業を目指して、働きながら勉強をしているケースも多いです。しかし、会社員を辞めてまったく異なる仕事につくことには、さまざまな注意点があります。具体的にどのような覚悟をしておかねばいけないのでしょうか?
- 年収が落ちる覚悟も必要
- 「好きなこと」が「義務」になる
- 知り合いや友達を頼りにしない
- 自分ですべて行わなければいけない
- プライベートと仕事の境界線はなくなる
1. 年収が落ちる覚悟も必要
あなたが「やりたい」と思う仕事は、他の女性も憧れるような仕事かもしれません。すると、必然的に担い手が多い職種になりますから、激しい競争が強いられます。サービスの価格競争が熾烈化し、結果的に会社員の頃よりも年収が下がる可能性もあるでしょう。
また、会社に雇用されていれば月に1回決まった収入がありましたが、自営業や個人ビジネスになった場合にはどうしても不定収入になります。当たり前ですが、働かなければその分収入はなくなります。固定客がつく、あるいは収入が安定するまでは、これまでの貯金で暮らしていくくらいの覚悟を持っておく必要があるでしょう。目安として前年の年収1年分の貯金があれば、当面は安心です。
2. 「好きなこと」が「義務」になるという覚悟を持とう
ネイルやフラワーアレンジメントなどを趣味で行っているときは、楽しくて仕方ないでしょう。日頃のストレスが、癒されることも多いはずです。しかし、それを仕事にしてしまうと、「やらなければいけないもの」、つまり義務になります。どんなに疲れている日でも、気持ちが高まらない日でも、仕事には向き合わなければいけません。中には、好きだったはずのものが嫌いになる人もいるでしょう。趣味ではなく、「仕事になる」という覚悟を持って臨む必要があるといえそうです。
3. 知り合いや友達を頼りにしない
「開業したら友達や知人が来てくれるはず!」と期待するのはやめましょう。友達といえど、あなたのお店やサロンにばかり通えるものではありません。お客様であるのは変わりありませんから気に入らなければ二度と来ないこともあります。大切な関係性であればあるほど、友人・知人をビジネスのあてにしない覚悟を持っていく必要があるでしょう。もし、しつこく勧誘したりするようなことがあれば、友情も失うことになってしまいます。
4. 自分ですべて行わなければいけない
「好き」を仕事にしても、実際には好きなことばかりをやっていけるわけではありません。経理処理をしたり、営業活動をしたり、ときには広告やホームページを作ったりすることもあるでしょう。そういったことが苦手だからといって避けて通ることはできません。企業で働いていたら、分業できたことも、一人で働けば経営にかかわることはすべて自分でしなければいけません。好きなことだけに集中できるということではないと踏まえておく必要があるでしょう。仕事を円滑に進めるためには、その周辺業務もすべて行っていかなければいけないものです。
5. プライベートと仕事の境界線はなくなる
好きなことを仕事にすると、プライベートの時間も仕事のことを考えるようになることが少なくありません。パティシエの人はプライベートでもおいしいスイーツを食べ歩くかもしれません。また、ネイリストの人は常にネイル雑誌を読み、トレンドをつかもうとしているかもしれませんね。夢中になっているからこそ、プライベートの時間はなくなります。「好きを仕事にしているのだから、そんなの大歓迎よ!」という方であれば問題ありません。しかし、プライベートと仕事のメリハリをつけたい方にとっては、苦痛を感じることもあるでしょう。
「好き」を仕事にする前にこうした覚悟ができるかどうか、自分自身で問い直してみるとよいでしょう。(ライター:香山とも)