働く女性が気をつけたい「冬季うつ」ってなに?
いよいよ本格的な冬に突入。「今年の冬は暖かい日が多い」と言われていますが、やはり北風が吹いたりすると厳しい寒さを感じるもの。そんな冬の時季になると、「疲れやすい」「朝起きられない」という体の異変を感じる女性がいます。
夏場と違って、「休みの日であっても外に出たくない」など寒さとともに急に体が思う通りに動かなくなる人も多いといいます。実はそれは、季節性感情障害(SAD)という「冬季うつ」かもしれません。冬季うつとはどんなものなのでしょうか? その対策とともに解説していきます。
冬季うつとはなにか?
一般的に冬季うつと呼ばれるのは、「季節性感情障害(SAD)」という障害の一種。寒くなりはじめる10月頃から症状が出始め、春に向かう2月~3月ごろに回復していくといわれています。比較的女性の方がなりやすく、海外では一般的な病気としてすでに広く認知されています。冬になり日照時間が減少すると陥ることから、日に当たることが少なくなることで症状が出るのではないかといわれています。北欧など日照時間が特に少ない国では、大きな問題として研究が進められています。
冬季うつの代表的な症状としては、下記のようなことが挙げられます。
- 朝起きられない
- 倦怠感がある
- 外に出るのがおっくう
- 仕事、家事などに意欲がでない
- 甘いものが異様に食べたくなる
- 睡眠時間が長く、いくら寝ても眠けがある
- すぐに疲れを感じる
- 日中に強い眠気に襲われる
- 人と触れ合いたくなくなる
冬季うつは、冬が去ると症状が改善します。その点が、慢性的なうつ病とは異なります。ただし、冬季うつの悪化から慢性的なうつ病に陥ることもあるといわれているため、冬季うつについてきちんと理解し、対策を練っていく必要があるのです。
冬季うつを防ぐ対策
「冬季うつかもしれない」と感じたら、どんな対策をしたらよいのでしょうか。冬季うつはおもにセロトニン不足によって引き起こされるといわれています。逆を言えば、セロトニンを補うことで冬季うつを予防することが可能になります。具体的な対策を見ていきましょう。
・意識的に日光を取り入れよう
日照時間の短い冬季こそ、意識して日光を浴びることが大事です。例えば、夜にカーテンを開けて就寝しておけば、日の光で目を覚ますことができます。これにより、自然に日光を浴びられます。仕事中はランチのタイミングで外に出るのもよいですし、休日は朝~昼にかけて散歩して日を浴びるようにしましょう。
・1日30分ほどの運動を行う
セロトニンは運動によって増すといわれています。ただし、あまりヘビーな運動は逆に負担となってしまうので、30分ほどの軽い運動を心がけましょう。軽い筋トレなどでもいいのですが、日の光を浴びながらウォーキングしたりジョギングをしたりすると特に有効です。
・家族や親しい友人と会話をする
ストレスをためないことも重要。長時間のPC操作や緊張する相手と会うのは、それだけでストレスが溜まるという方もいるのでは。家族や友達など、親しい人とまったりした時間を過ごす場を設けるとよいでしょう。
・笑顔になる機会を増やす
バラエティ番組を見たり、自分が楽しめる趣味に没頭したりするなど、意識的に自分が笑顔になる機会を増やしましょう。笑顔になることで、免疫力も上がり風邪の予防にもつながります。心身の健康には、笑顔が欠かせないのです。
冬季うつはなかなか周囲の人に理解されにくいものです。症状が悪化する前に、専門医に相談することも考えましょう。慢性化する前に、きちんと対処していくことが重要です。(ライター:香山とも)