親の「転職反対!」に直面したときの解決策
女性がさまざまな職種・業界に進出するのが当たり前となった昨今ですが、ひとつ上の親世代には、その状況をなかなか理解できない人がまだいるもの。「女の子が営業職なんて」「出張がある仕事だなんて心配」「エンジニアは男の人しかいないんじゃないの?」など、転職時に親から反対を受けた人も少なくないでしょう。実際に、両親から転職を反対されたらどのように対応したらよいのでしょうか。親の「NO」を「YES」に変える方法を考えてみましょう。
1. 現在の仕事の問題点を伝える
親世代の中には「終身雇用」が最もリスクが低く、安全なキャリアだと考えている人もいます。そうした考えの持ち主に対しては、「現在の仕事を続けるにいることのほうが高リスクだ」と伝えることで転職を応援してくれる可能性があります。たとえば、「子どもができたら、働いていられそうもない職場」「給料が安くて、将来的に少し不安」などと今の職場におけるリスクを伝えていくことで、あなたの転職意志を理解してもらいましょう。変化を恐れ、現在の仕事にとどまる方がマイナス点が大きいと判断したことを伝えていくとよいでしょう。
2. 新たな仕事のメリットを伝える
新しい職場がどんなところなのかを伝えることも忘れてはいけません。「やりがいがある」などの抽象的なことよりは、メリットを具体化した方が理解も得られやすいでしょう。「残業時間が少なくて、精神的にも落ち着いて働ける」「育児をしながら働く女性がたくさんいて、子どもの教育にもプラスになる」などです。親が安心できるようなメリットを紹介することがポイントです。
3. 自身のキャリアプランを伝える
自分がその転職に際し、どんな気持ちで臨んでいるかを伝えていきます。「ずっと勉強してきた英語を最大限に活用できる」「この業種を経験することで、将来にも役立つようなスキルが身につく」など、前向きな思いをアピールする必要があります。現在の職場への不満だけで転職を考えていると、「ただ逃げたいだけではないか」と親世代は心配してしまうかもしれません。転職によって、自分のキャリアがどのように展開していくか、その想定像を伝えることが大切なのです。
4. 新たな仕事に関連する資格などを取得しておく
転職への本気度を伝えるために、事前に資格を取得してしまうという手もあります。「未経験での転職なんて心配だ」と言われても、「すでに資格も取っていて、転職先ではすぐに戦力として働ける」「資格の勉強仲間と情報交換してみたら、この会社は本当に環境がいいと言われた」など、外堀から固めていくとよいでしょう。どれだけ「転職に本気なのか」を理解させることが重要です。
5. 転職先の金銭的、社会的な位置づけを伝える
現職のデメリットや、新しい仕事のやりがいについて語っても、親世代は転職するメリットを理解できない可能性があります。特にIT関連やウェブ関連の仕事だと、そもそも理解が得られないということもあるでしょう。そうした場合、よりわかりやすい尺度を持ち出す必要があります。例えば、金銭的な余裕が生まれると伝えてみましょう。「現職ではこれしかもらえなかったけれど、転職したら給料はこれだけ増える」などです。金銭的な安定は親の安心感につながるからです。また、B to Cの商品・サービスに関係している企業なら、その商品名やサービス名を伝えてみましょう。「こういうサービスをしている」「この商品のこの部品を作っている会社」など、世間に受け入れられている会社だと伝えることで、両親が転職に安心する可能性もあります。
6. 事後報告にする
「絶対に反対される!」「どうしても賛成してもらえない」となった場合には、思い切って事後報告にしてしまうのも手です。「もう内定を受諾した」「来週から働き始める」などと言えば、今さら反対しても仕方ないと思うものです。報告した後は、上記1~5を参考にして、なぜ転職したのかを説明しましょう。
転職に際して、両親の応援が得られればとても心強い味方になるでしょう。ただし、あなたのキャリアに責任を持つのは、最終的にはあなた自身。キャリアについて自分の考えを親に伝えながら、転職の意思を大切にしましょう。(ライター:香山とも)