妊活と女性のキャリア、両立のポイント
社会全体で晩婚化・晩産化が進むにしたがって、不妊治療を含めた「妊活」をおこなう女性が増えています。芸能人なども妊活休業を取るなど、働く女性もこうした妊活を始める方が少なくないようです。しかし、仕事と妊活の両立は簡単ではないという実情もあります。妊活とキャリアを両立していくためのポイントを紹介します。
キャリアと妊娠・出産の両立をプランニングする
「いつかは妊娠・出産をしたい」と思っている女性は多くいます。現在、バリバリ働いているキャリアウーマンでも同様でしょう。しかし、仕事にまい進するなかで20代後半、30代となり、妊娠に焦り始める方もいます。そこで、妊活をしようと思い立つわけですが、その前に考えたいのが、妊娠・出産までのプランを立てることです。妊娠・出産をすれば一定期間仕事を休むことになります。さらに妊活期間においては、仕事を軽減することも視野に入れなければなりません。そうしたことを含めて、キャリアと妊娠・出産についてプランニングする必要があるのです。
最近では、新卒で就職して5年ほど経った20代後半以降を妊娠の時期として選ぶ方が多いようです。35歳以降となると高齢出産となるため、どうしても妊娠のチャンスが減ってしまうからです。しかし、20代後半から35歳までの期間は、仕事に集中しているとあっという間。だからこそ、計画を立てておく必要があるのです。
周囲の理解を極力得られるように働きかける
1人で妊活をするのは負担が大きいもの。周囲の理解を得ることは欠かせません。第一に理解を得たいのは、もちろん夫です。夫も本心から子どもを望んでいるのか、妊活に協力する気はあるか、そして、精子検査などの医療検査にも前向きかなどを確認しましょう。夫と妊娠に対する共通認識を持てなければ、妊活をする中で、夫婦間に亀裂が入ることもあります。だからこそ、妊活を始める前に、夫の理解をきちんと得ておきましょう。
また、キャリアとの両立を考えると職場の上司にも理解を得たいところです。治療・検査で休んだり時短勤務したりする可能性があること、心身に負担の大きな仕事が妊活のマイナスになりうることなどを説明し、理解を求めましょう。妊活支援をうたっている企業であれば、きちんと制度を利用することを検討するのも考えられます。また、リモート勤務やフレックスタイムといった制度も活用し、上司に相談するとよいでしょう。
仮にこうした制度は整っていなかったとしても、上司の配慮で定期的な早退を許されるなどの可能性もあります。信頼できる上司であれば、早めに相談し、協力を得られる体制を築けるとよいですね。
妊娠にまつわる知識を得よう
妊娠にまつわる知識は知られているようで、あまり知られていません。女性だけでなく、男性側に要因があることもありますし、たとえ2人とも体に何の問題もなかったとしても、妊娠にいたらないこともあります。妊娠しないことに焦るのではなく、妊娠に関する情報を集めていくことも重要になるのです。妊活が長丁場になったとしても、1つのプロジェクトとして頑張り抜くことができます。
また、勇気がいることかもしれませんが、婦人科に行き、検査をしたり医師の説明を聞いたりすることも重要です。睡眠や栄養をきちんと摂るなどの生活習慣が重要なことも、そうした中から学んでいくでしょう。
出産後の働き方をイメージしよう
妊娠した後に待ち構えているのが出産です。キャリアと両立させたいと考えている女性としては、出産後のイメージもきちんと持っておく必要があります。時短勤務を活用したり、親の協力を得たりといったことが挙げられます。なかには、いま現在、昇進や転職などを考えている人もいるかもしれません。そうしたキャリアアップ・キャリアチェンジも、出産のタイミングを鑑みて適切な時期選びが大切になります。
仕事と子育ての両立は容易なことではありませんが、協力者を得て、自分でできる限りの計画を立てれば、案外乗り越えられるものです。少しくらいつまずきながらでもいいので、多様な働き方を模索するチャンスともとらえ、妊活をスタートさせてみてはいかがでしょうか。(ライター:香山とも)