女性の“職場での嫌がらせ問題”、5つの対策
職場の人間関係に悩む女性は少なくありません。仕事上の付き合いにもかかわらず、嫌がらせやいじめなどが横行することすらあります。こうした事態が起きないようにするのがベストですが、もし起こってしまったら……。「いざ」というときのために知っておきたい、いじめ・嫌がらせへの対処法について解説していきます。
職場いじめや嫌がらせはどうして起こるのか?
いじめや嫌がらせで仕事を辞めてしまう人は実は意外と多いもの。しかも、民事上の個別労働紛争の相談で「いじめ・嫌がらせ」に関するものは、年々増加しているといいます。具体的な内容は、陰口・悪口を言われるといったものから、パワハラ・セクハラまでさまざま。なかには、本人の業務資料を隠すといった小学校のいじめのような幼稚なものもあります。
こうした嫌がらせは、多くが嫉妬や妬みから引き起こされます。仕事がよくできることへのひがみ、上司に気に入られていることへの妬み、ルックスがいいことで周囲からチヤホヤされているということへの嫉妬などです。つまり、過剰な劣等感を抱えている人ほど、他人をいじめやすい・嫌がらせしやすいのです。
職場いじめや嫌がらせへの対処法
こうしたことから引き起こされる職場のいじめや嫌がらせには、どのように対処していけばよいのでしょうか。
【対策1】いじめの原因を考えてみる
いじめや嫌がらせをされたら、カチンと来ますし悲しく感じます。しかし、感情に流される前に、なぜこのような事態にいたったのか冷静に分析してみましょう。自分の行動や言動に思い当たることがあったら、それを直してみることで相手の気持ちも収まるかもしれないからです。相手の気持ちを害する言動があった、日ごろから手を抜いている仕事がある……などです。「もしかしたら、ここがいけなかったのかな?」と思うようなことがあれば、直接相手とは話してみるのも一つの手でしょう。
しかし、どう考えても思い当たるふしがなければ、いじめの原因はあなたへの嫉妬や妬みである可能性もあります。それならば、考えたところで答えは出ませんので、自己否定に陥る必要はありません。
【対策2】相手にしない、無視する
どんな組織にも、多かれ少なかれ、常識が通じないような人はいるものです。常に誰かの悪口を言っていたり、いつも自分よりも弱い立場の人に嫌がらせをしていたりするような人です。万が一、そういう人に目をつけられてしまったら、「この人はまともな人づきあいができないんだ」と心の中で決着をつけて、無視をして嵐が通り過ぎるのを待つことが有効です。とにかく仕事に没頭するのもよいでしょう。しかし、あなたのメンタルが追い込まれるほど我慢する必要はありません。「これ以上は無理!」と思ったら、しかるべき対処をしていきましょう。
【対策3】上司にいじめの事実を伝えて様子を見てもらう
あまりにしつこく、また、いじめの内容もエスカレートしているようでしたら、上司に相談をするのも一つの手です。ただし、上司に言いつけたことがわかると、よりいじめがエスカレートすることがあるので、最初は「しばらく私と○○さんの様子を見ていてもらえますか?」と客観的な立場で見守ってもらいましょう。
まずは事実を知ってもらうことが重要です。事実を理解してもらえれば、相手への注意が必要な状態なのか、配置転換などでいじめが及ばない距離にする必要があるのか、などの判断をしてもらうことができます。
【対策4】人事部や相談窓口など客観的な視点を持った部門に相談をする
いじめをしているのが直属の上司だったり、上司のお気に入りの同僚だったりした場合には、誰に相談をしたらよいかわからないですよね。そんな場合には、人事部や会社に設置された相談窓口へ事実を伝えにいきましょう。なるべくならば、証拠となるようなものを持っていくと状況が理解されやすいです。
メールの文面や、ICレコーダーなどの証拠をもって、あなたといじめてくる相手の関係性を知らない人にもきちんと事実を伝えられるようにしましょう。目に余る場合には、相手への厳重注意や配置転換などもありえるでしょう。
【対策5】 法テラスなど会社外の専門機関に相談する
ときには、小さい規模の企業で、相談できるような相手がいないといったこともあるでしょう。また、心身の危険を感じるレベルのいじめをされるなど、社内では対応できないレベルの嫌がらせを受けるケースもあります。自分や会社では解決できないと思ったら、外部の専門機関に相談しましょう。弁護士へ相談するほか、法テラスでも電話・メール等で相談することができます。
法テラス http://www.houterasu.or.jp/
職場でのいじめ・嫌がらせに対するポイントは、1人で抱えこまないこと。体調を崩してしまったり仕事を失ってしまったりする前に、対策を講じていきましょう。(ライター:香山とも)