女性が男性中心の職場で働くときのポイント
建設業界や運輸業界など、これまで男性中心とされてきた職場にも女性の姿が目立つようになってきました。一方、やはり男性中心の職場では、女性にしか感じられない不安・不満もあるようです。女性が男性中心の職場で働くことになった際、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
男性中心の職場における女性の悩み
男性ばかり・男性中心の職場で働いていると、働く女性にとってはやはり何かとストレスがあるようです。例えば、女性からこんな声が挙がっています。
・ 子どもを理由とした休暇・遅刻などを申請しづらい
・ 体力がついていかず、長く働く自信が持てない
・ 「彼氏はいるのか」「女子力低いな」などとセクハラを受ける
・ 「女性の仕事」ということで、掃除やお茶くみなど雑事もしなければいけない
・ 育休制度や産休制度が整っていない
・ 生理休暇などがなく、体調不良を訴えにくい雰囲気がある
・ トイレなど女性向けの設備が整っていない
女性が男性中心の職場で働く上でのポイント
こうした不安や不満を抱えつつも、上手に仕事をしていくためにはどうしたらいいのでしょうか。5つの注意点をお伝えします。
ポイント1. 仕事への意欲や会社へのコミットメントを意思表示する
男性社員の多くが「仕事第一」と考えているもの。その中で、家庭の事情や体調不良などで、休まなければいけない女性を目にすると、「やる気がない」などと見る可能性があるのです。そこで、ポーズだけでもいいので仕事や与えられた役割りに対するコミットメントを意思表示しましょう。例えば飲み会や雑談、給与面談の際などに、「営業が上手くいくとやっぱりうれしいですね」「この仕事のこういうところが好きです」などと伝えておきましょう。
女性が自らこうしたことを言うことは少ないですが、男性はなかなか言わなければ伝わらないもの。仕事への頑張りや、会社への思いをわかりやすく表現していきましょう。そのうえで、家庭の事情で仕事を切り上げたりする際には、「子どもの用事がある分、定時まではコレとコレを終わらせますね!」などと伝えるのがいいでしょう。
ポイント2. 事前に根回しをする
弱音を吐けなかったり、頑張りすぎてしまったりする女性は多いもの。特に、男性社会で生きている女性こそ、歯を食いしばってしまうでしょう。しかし、根回しをして、自分が過ごしやすいように環境を作っていくことも重要です。
直属の上司によるパワハラ・セクハラなどがひどければ、他の部署の上司や人事部などと交流し、根回しをしておくとよいでしょう。いざという時に、サポートしてくれます。
さらに、重要な決裁の前に、どんなメリットがあり、自分がいかに努力をしてきたかを伝えておくなども大切です。女性向けの設備の充実や、産休・育休制度の整備なども、根回しをしていくことでよりスムーズになります。
ポイント3. 好き嫌い、気持ちの浮き沈みなどを出さない
一般的に、「女性は感情的」「女性は好き嫌いが激しい」などと思われがちです。そのため、男性と同様に感情表現をしても、「これだから女性は……」などと揚げ足を取られかねません。そのため、仕事場においては、ことさら冷静に対処していくことが重要です。人間ですから、好き嫌いもありますが、業務上においてはそれを出さず、いい意味でビジネスライクに付き合っていくことがポイントです。
ポイント4. 男性社員を“負かさない”
理不尽なことや非効率なことがあると、つい「こちらの方がいいじゃないですか」と詰め寄ってしまうこともあるでしょう。しかし、男性はまくしたてるような女性には萎縮して、心を閉じる人が少なくありません。注意する際や提言する際には、簡潔に伝えていくことが重要です。逃げ道をなくすような完膚なきまでにたたきのめすのはNGです。
ポイント5. はっきり明確に答える
女性同士の会話では、あいまいな表現でもお互いが相手を察することで会話が成立します。その分、「できると思います」「たぶん、こうじゃないですかね?」など、婉曲的に回答する傾向があります。
しかし男性相手の会話では、はっきりと表現した方がきちんと伝わります。そのため、「この仕事できる?」などと聞かれたら、「できます」と答える。さらに、提案するときも、「こうですね」「あのプロジェクトの方がいいですね」とはっきりと返事をすべきです。「相手が察してくれるだろう」と思わず、言葉・文章にして伝えると、よけいな誤解やトラブルも減らせます。
最近では、男性中心の職場の方がむしろ働きやすいと感じる女性も少なくないようです。これまでご紹介したような注意点をふまえて、自分自身で働きやすい環境に整えていくとよいでしょう。(ライター:香山とも)