「とりあえず事務職」の女子が気をつけるべきポイント
会計システムや人事システムの自動化・効率化などによって、事務職のポジションは減りつつあります。また、そもそも事務職は決して“ラク”な仕事でもありません。にもかかわらず、ワークライフバランスを実現したい」「安定して働きたい」といった希望から、「とりあえず事務職に転職したい」と志望する女子は後を絶ちません。そんな“とりあえず事務職女子”が気をつけるべきポイントをお伝えします。
事務職はなぜ人気?
そもそもなぜ、未だに事務職は女性の中で人気が高いのでしょうか。「とりあえず事務職」と考える女性たちにとって、事務職は以下のようなイメージがあるようです。
【1】定時で帰れる
事務職は忙しくなく、定時で帰れるというイメージを持つ女性が少なくないようです。ワークライフバランスを重視して、事務職を希望する女性が大多数です。
【2】体力的に“ラク”そう
ずっと立ち仕事をしていた女性や営業などで外に出ていた女性などが、「この仕事を、年をとっても続けるなんてムリ!」と考え、事務職を希望することが少なくありません。
【3】パソコンさえできれば誰でもできる
「事務には特に専門スキルは少ないだろう」「パソコンさえできれば、誰でもできる」というイメージから「とりあえず事務職」を希望する女性もいます。
【4】女性が向いている
これまでの、男性は営業など外に出る仕事で、女性が社内にいる事務などを担ってきたという時代的な背景もあるので、思い込みを強めている可能性があります。
【5】一人で黙々と作業すればよい
「事務仕事は黙々と一人で作業をするもの」というイメージを持つ人も多いです。会社内の人間関係を疎ましく感じて、一人でできる仕事をしたいと考え、事務職を希望するようです。
事務職を希望する上で気をつけたいポイント
こうした魅力的に映る事務職ですが、イメージとは異なるなど抑えておくべきポイントもあるようです。紹介します。
・事務職にも繁忙期がある
事務職はラクというイメージがあるかもしれませんが、忙しい時期もあります。逆に、他の部署の余波やサポートなどで多忙になることが多いため、ストレスがたまるという声もあります。
例えば、営業部門が忙しいと事務処理に必要な書類の作成は後回しにされがちです。結果的にしわ寄せが事務職に来て、夜まで書類待ちの状態が続く……ということも日常的にあります。状況によっては、夜遅くまで仕事をおこなう必要もあること知っておくべきでしょう。
・実績を作ったり、仕事を評価されたりしにくい
事務という仕事柄、実績を残したり評価をされたりしにくいもの。営業職であれば売上を高めれば、会社に貢献したとしてボーナスがアップするようなこともあるでしょう。しかし、事務の場合は数値ひょうかが難しく、何をもって貢献したと見なすのかが簡単ではないのです。「自分の頑張りを認められない」ということに、葛藤することもあるかもしれません。
・自分は本当に事務職に向いているかを考えよう
女性だから事務職なら問題なくできるだろう……というのは大きな誤解。女性であっても、外に出て顧客と接したり、チームで企画を練り上げたりすることの方に力を発揮する人は多いのです。イメージから“とりあえず事務職”を志望するのではなく、自分に本当に事務職が合っているのかどうかを今一度考えてみることは必要です。
・パソコンができれば事務ができるというのは思い込み
事務職においてパソコンは確かに必需品です。しかし、パソコンさえできれば事務の仕事ができるわけではありません。他の社員をサポートするコミュニケーション能力、文字や数字の間違いに気づけるきめ細やかさ、煩雑な業務を順位づけてこなせる段取り術など、他の職種と変わらないくらい多くのスキルが重視されています。事務職であっても、様々な技能が必要だということを認識しておきましょう。
「とりあえず事務職」の気持ちでは、転職しても採用される可能性は低いですし、仮に採用されたとしても入社後にギャップに苦しむことが考えられます。なぜ事務職なのか、他の仕事でダメな理由があるのかなどをしっかり考えて志望する職を選びましょう。(ライター:香山とも)