女性が働きやすい“お墨つき企業”
「産休・育休が取りやすい」「女性管理職が活躍している」など、女性が働きやすい企業を見分けるポイントはいくつかあります。
なかでも、行政などによる認定企業を探すのは有効な手段。例えば経済産業省は「ダイバーシティ経営企業100選」、厚生労働省は「くるみんマーク」などの認定制度を設けています。また、都道府県レベルでも、こうした女性雇用拡大を旨とした認定制度出はじめています。今回はそのような転職の際に、企業選びの参考になる情報をお届けします。
女性が働きやすい企業の目安とは
女性が働きやすい企業には、どんな特徴があるしょうか。ポイントは4つ挙げられます。
1つは女性社員の割合が多いこと。採用・雇用も平等に行い、結婚・育児・出産などのライフイベントを機に不本意な退職をする女性が少ないという指標になります。2つ目は、産休・育休が取得しやすいということです。制度があるだけでなく、運用されているかどうかという視点も重要です。女性が働き続けるには、こうした制度が整っていることが欠かせないでしょう。
3つ目は、女性管理職が多いことです。女性も出世していきやすい職場であるということが把握できます。4つ目は、雇用年数が長いことです。平均年齢や勤続年数の男女比較をしてみると、把握することができます。女性の平均年齢や勤続年数が低ければ、早期離職している可能性があると見て取ることができます。
女性が働きやすいという“お墨付き”とは?
こうした女性の働きやすさは、なかなか外側からは見て取ることができません。そこで一つの指標になるのが、行政から“お墨付き”をもらっているということです。例えば、以下のような指定を受けていると、その企業は女性に働きやすい職場が整備されているということになります。
1. くるみんマーク
厚生労働省が「子育てサポート企業」と認定した企業が、使用できるマークを「くるみんマーク」といいます。2016年時点で指定された企業は、2750社となっています。次世代育成支援対策推進法に準じ、基準を満たした企業が認定されているため、出産、子育てなどで家庭と仕事の両立を目指す女性にとって注目したい認定となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/
2. えるぼしマーク(女性の活躍推進に関する状況等が優良な企業)
女性活躍推進法における、ある一定の基準を満たしている、女性の活躍推進に関する状況等が優良な企業、46社を認定しています。女性の平均継続勤務年数や女性の採用倍率、労働時間、女性管理職の割合などを基準として、選定しています。認定を受けた企業は、認定マーク「えるぼし」を使用できます。
3. 均等・両立推進企業表彰
「女性労働者の能力発揮を促進するための積極的な取組」または、「仕事と育児・介護との両立支援のための取組」について、他社の模範例となる取り組みを行っている企業を表彰する制度です。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kintou/ryouritsu.html
4. ダイバーシティ経営企業100選
「多様な人材を活かし、その能力を最大限発揮できる機会を提供することでイノベーションを生み出し価値創造につなげている企業を、経済産業省がダイバーシティ経営企業として認定しています。受賞のポイントや「ベストプラクティス集」などは、他社でも参考にできる内容となっています。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/
5. なでしこ銘柄
経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に積極的に取り組み、優れた成果をおさめている上場企業を発表しています。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html
6. おもてなし経営企業選
「 ①社員の意欲と能力を最大限に引き出し、②地域・社会との関わりを大切にしながら、③顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営」を行っている企業を、「おもてなし経営」の果たせている企業とし、選定します。
http://www.meti.go.jp/policy/servicepolicy/omotenashi-keiei/
7. 埼玉県「多様な働き方実践企業」認定制度
埼玉県では、女性の力で埼玉県の経済を元気にする「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を進めています。この制度は、仕事と子育てなどの両立を支援するため、短時間勤務やフレックスタイムなど、複数の働き方を実践している企業などを県が認定するものです。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0810/tayou-top/tayou.html
こうした認定・指定事業に選ばれた企業は、女性が働きやすいという“お墨付き”があるということ。もちろん、認定を受けたからといって女性に優しいパーフェクトな企業だと言い切ることはできませんが、会社選びのひとつの目安としてお、こうした企業への転職を考えてみるのも一つの手でしょう。(ライター:香山とも)