女性の在宅勤務、メリットと注意点
子育て女性の働き方のひとつとして、在宅勤務(テレワーク)を導入する企業が増えつつあります。子どもを見ながら仕事ができる、通勤にとられる時間がないといったメリットがある一方、子育てと仕事を同時にするのは想像以上に大変だという声も挙がっているようです。女性が在宅勤務する際のメリットと注意点を考えてみましょう。
在宅勤務のメリット
1. 通勤ラッシュに揉まれなくてOK
朝のラッシュから解放されるのは大きなメリットです。満員電車に乗って通勤するだけで、毎朝体力を消耗している女性も少なくないでしょう。貧血や体調不良の時には、倒れこんでしまうリスクもあります。さらに、帰りのラッシュ時や会社の飲み会で遅くなった時なども、満員電車が非常にハード。在宅勤務になれば、こうした往復の満員電車の苦痛や体力の消耗をなくすことができます。
2. 子どもを見ながら仕事ができる
子育て中のお母さんの中には、お子さんと一緒にいたいという気持ちを強く持っている方も少なくないでしょう。在宅勤務であれば、子どもと離れている時間を最小限にしておくことができるというメリットがあります。また、子どもが風邪をひいたなどのトラブルにも臨機応変に対応できます。仕事を調整しながら、子どもの状況に合わせて柔軟に対応できるのは大きなメリットです。
3. ある程度、好きな時間に家事ができる
家にいれば空いた時間に家事をすることができます。例えば、この企画書を作っている間に、洗濯機を回しておこうなど、時間を有効活用できるのは大きなメリットです。料理が好きな女性にとっては、手をかけたものを作る時間がとれることも嬉しいでしょう。
4. 化粧やビジネス用のファッションから解放される
多くの女性が“仕事のためのファッション”を持っています。スーツやジャケットなどはわかりやすい例でしょう。他にも、ストッキングなども傷むたびに買い換えるとなるとバカにできない出費になります。
さらに、化粧をすることもビジネスマナーとされているので、毎朝のメイクタイムを必死で確保している方も少なくありません。化粧品の出費も大きなものになります。こうした、“ビジネスだからやらなければいけない”というファッションの手間・コストから解放されることは大きなメリットです。
5. 付き合いランチや飲み会から解放される
女性同士で、いつも連れ立ってランチに行くという習慣がある職場は多いもの。仲が良ければいいですが、本当は苦手だったり、仲間はずれになるから仕方なくランチをしに行ったりする女性も中にはいます。そうした女性同士のつながりに面倒臭さを感じている方も少なくないでしょう。さらに、在宅勤務の場合には職場の飲み会も免除してもらいやすくなりので、“付き合い”のストレスは格段に減るといえます。
在宅勤務のデメリット
1. 人によっては仕事がはかどらない
家にいると、テレビを観てしまったり、昼寝をしてしまったりと誘惑がいっぱいです。オフィスにいれば、周囲の目もあり“仕事をするしかない”という状況に置かれているので、家にいるよりもずっと仕事ができるというケースも少なくないのです。そのため、「どうしても誘惑に負けてしまう」という方は、在宅勤務にすると仕事がはかどらない場合があります。
2. 仕事とプライベートに境界がなくなる
在宅勤務であれば、昼間に仕事をしょうが深夜に仕事をしようが自由です。また、平日も休日も自宅にいることで、メリハリがなくなりがち。そのため、どうしても仕事とプライベートの境界が曖昧になります。昼間に仕事が終わらなくても、「夜やればいいか」となり、「日曜日空いているからやろうかな」となりがち。時間の融通が効くのはメリットでもありますが、一方で仕事とプライベートの境界がなくなる可能性もあります。
3. 子守をしながら仕事をするのが大変
子どもと過ごせる時間が増えるのは良いことですが、子守りをしながらの仕事が大変だという声も挙がっています。実際に在宅勤務してみたものの、仕事に没頭できるのは子どもが寝ている間だけということもありえるでしょう。保育園に預けるなどができれば別ですが、家で子どもを見ながら仕事をすると十分な時間が取れなかったり、集中できずパフォーマンスが下がったりするということも考えられます。
4. 専業主婦なみに家事・育児が求められる
在宅勤務をしている女性は、働いているのにも関わらず、「家にいるのだから家事も完璧にできるはず」と見なされることが少なくありません。また、地域によっては、在宅勤務だと保育園に子どもを預けられないケースもあります。夫や親などへ、「どのくらいの時間、仕事をしているか」などをきちんと伝え、理解を促していく必要があります。
メリット・デメリットがある働く女性の在宅勤務制度。自身の生活や性格に合わせて、運用を検討していく必要があるといえそうです。(ライター:香山とも)